第1回日本地域医療連携システム学会に登壇した大久保明伊仙町長ら
【東京】日本地域医療連携システム学会(樋野興夫理事長・順天堂大学医学部病理・腫瘍学教授)は2日、文京区のフクダ電子本郷新館で第1回学術大会「自己形成力の連携~小さな事に、大きな愛を込める~」を開いた。医者でもある大久保明伊仙町長も登壇発表し、来年行われる第2回日本メディカルヴィレッジ学会を伊仙町で行うことを宣言した。
同会は地域医療及び介護分野の総合的な連携を推進し、地域におけるネットワークを構築・整備することを中心とした事業を行うために設立。特に在宅医療に関わる医師や看護師・コメディカル(医師、歯科医師以外の医療従事者をまとめた総称)の情報共有の場として積極的に活動する。
国内外に関わらず在宅医療関連学会、日本メディカルヴィレッジ学会、地域医療推進事業団体と積極的な交流を行い、医療従事者への教育活動、安全な医療遂行のための研究調査を行う場としてのビジョンを掲げる。
また、同学会は、がん患者が最後まで安心して暮らせることができる(Medical Village)
を地域に創り、本人に関わる家族や友人や、本人を支援する医療や介護従事者にとって安心できる場所となることを目的と謳う。
プログラムでは、教育講演、特別講演、ランチョンセミナー、基調講演に続き、「それぞれの地域に求められるものとは~メディカルヴィレッジ構築に向けて~」と題して日本メディカルヴィレッジ学会合同シンポジウムも開催。シンポには、対馬市で地域ごちゃまぜケアとして荒地を草刈りしたりする他職種の連携組織、アグリパークを主宰する桑原直行いづはら診療所管理者、「ガン哲学外来カフェ・in万座」を開き、既存の医療を越えた「新時代の医療共同体」メディカルヴィレッジの立ち上げを推奨する樋野大会長と共に関わってきた市村雅昭氏、そして大久保町長の3人が演者として登壇した。
大久保町長は、同会の崇高な目的に「頭をたたかれたようだ」と語りながら、島を体にたとえると、「集落は細胞であり、集落が廃れば島が機能しない」。そこで、児童が減った小学校の校区内に町営住宅を建て、人を増やすことを考え、小規模校区に子育て世代住宅建設を進めた結果、すべての学校で児童生徒が増えたことや、地域で子どもを育てる考えや島内の闘牛文化も出生率をあげているなどと紹介。島内移動や島外から人材を呼び込もうとしている伊仙町の状況を報告した。
質疑応答では、「見守り、お一人様やキーパーソンのいない人を支援するケアマネや看護師をサポートするシステムがあってほしい」などの意見がでた。