農耕車の安全講習を

再発防止へ、交通死亡事故現場診断を行った関係者=8日、天城町浅間の町道

徳之島

 

交通死亡事故現場を診断

 

 【徳之島】天城町浅間の町道交差点で11月29日に起きた小型特殊車両(耕運機トレーラー付)運転の高齢男性の交通死亡事故を受けて8日、現場診断(徳之島署主催)があった。検討会では、高齢者対象の交通安全講習の強化、組織的な農耕車の安全利用講習会など開催を求める意見もあった。

 同事故は29日午前9時36分ごろ、近くの農業男性(93)が、同小型特殊車の耕運機車輪に乗り上げられた形で下敷きになっているのを通行人が発見。ギアはバックに入り、エンジンは停止。男性は胸部圧迫なで搬送先の病院で約1時間後に死亡した。

 現場診断には関係機関・団体や地元代表など約30人が参加。事故の概要説明を受けて、ほぼ見通しの良いT字交差点であることなど現場環境を点検。浅間公民館での検討会の冒頭、有村和行署長は「まさか、こんな所で、と想定外を考えてはいけないと思った。農作業車使用への指導重視も必要」とも。

 意見交換の道路環境面では、一時停止標識の求め以外は「道路の構造上の問題は見受けられない」。高齢者の単独事故の可能性に関しては「農耕機の安全使用の講習会も必要」、「運転免許を返納しても耕運機トレーラー(小型特殊車)は乗れると勘違いしている高齢者も」、「体力面を考慮して運転を止めさせることも大事」。講習会の充実など関係機関・団体の取り組みが促された。

 同署管内の今年の交通死亡事故は2件2人(いずれも天城町内)となっている。