ソテツについて知る授業

ソテツの実を割り、中身を取り出す作業を行う児童ら=和泊町=

昔の人々の苦労知って

 

国頭小3年生参加

 

実の採取・割る作業体験

 

 【沖永良部】「ソテツについて知る授業」が5日、和泊町国頭集落の伊池(イーダミチ)であった。同町立国頭小学校(森田郁朗校長)の3年生8人が参加し、ソテツの実の採取や中身を取り出す作業を体験した。

 郷土学習の一環で、戦時中や食糧難の時代に、ソテツが食べ物や燃料として大事にされていたことを知ってもらおうと実施。講師は、伊池周辺に植えられた約200株のソテツを管理している同集落在住の佐々木鐵雄さん(69)が務めた。

 この日は、ソテツの株の頂点になった赤い実を採取。押し切りという道具を使って実を半分に切り、実の中の白い部分を一つ一つ丁寧に取り出した。

 子ども達は、佐々木さんの指導を受けながら実を割る作業を体験。「よいしょ」と声を出して、硬いソテツの実を割っていった。

 取り出した白い部分は、後日、細かく砕いて水にさらし毒抜きをした後、ソテツようかん(タチガン)やヤラブケー(ソテツのおかゆ)にして児童らに振舞われる。

 同小3年の坪山歩佳さん(9)は「実の殻が硬くて上手く割れなかった。ソテツを食べたことがないので、どんな味がするのか楽しみ」と話した。

 佐々木さんは「実際に体験することで、先人の苦労を子ども達もわかってもらえるはず」と語った。

 また、ソテツの実で作った笛や、実に付着した綿状の「あくみ」を集めてボールのようにした遊び道具の紹介もあり、子ども達は手に取って楽しんだ。