自民党奄振委

新委員長となった尾辻委員長のあいさつ後、奄振予算確保のために意見交換会が行われた(自民党本部)

要望書提出
石井啓一国土交通相に要望書を提出する尾辻委員長、金子事務局長、遠山衆院議員(左)

「奄美も特別の配慮を」

 

改正奄振法 観光スタイル構築と戦略的交流促進

 

 【東京】自民党政務調査会奄美振興特別委員会(尾辻秀久委員長・金子万寿夫事務局長)は15日、自民党本部で会合を開き2017年度奄美振興開発予算並びに18年度奄美振興開発関係予算について各省庁から報告を受け、尾辻委員長は「来年度、再来年度の要求に向けて奄美だからという予算要求と、せめて、箇所付けする配慮を」と注文。委員会終了後には尾辻委員長、金子事務局長、公明党奄美ティダ委員会委員長でもある遠山清彦衆院議員らと石井啓一国土交通省へ要請活動を行った。

 同会には大島郡市町村会長の伊集院幼大和村長も出席して意見交換が行われた。冒頭、金子事務局長から「保岡先生の後を、尾辻先生が委員長を引き受けてくれたことは、感謝の気持ちでいっぱい」と謝意を表し、尾辻委員長は「奄美には追い風が吹いている。LCC路線の関空就航、世界自然遺産登録の動き、『西郷どん』の大河ドラマなど、こうした追い風を生かすために予算の裏づけが必要であり、17年度の補正予算と18年度の概算要求について意見交換を」と述べ、金子事務局長が法改正をにらみ、「振興開発についての改定案についても審議を」と加えた。

 各省の説明後、これまでも奄美らしい予算要求をと注文をつけてきた尾辻委員長は「この委員会が党の政調に置かれてあるのはなぜか、本土復帰が遅れた奄美には大きなハンディがあり、それを埋めるため、またチェックするための委員会だが、物足りない」と話し、携帯電話のエリア整備事業について「離島へき地の話であって、奄美に特化したものではない。奄美だからという予算要求はどこにあるのか」と問い、特徴ある要求をしたというのがあれば教えて欲しいと加えた。

 奄振法を取りまとめている国土交通省から「地元の発意を取り込み、施策を持ち寄って予算をとりまとめていきたい」との説明があり、尾辻委員長は「沖縄は特別な配慮がなされている。奄美も特別の配慮をして欲しい」とさらに注文をつけた。

 金子事務局長は、法改正後の奄振法についても触れた。奄美群島振興開発についての当面の基本的な考え方について、①法改正をはさんだシームレス(途切れない)なアクションとして奄美らしい観光スタイルの構築と戦略的な交流の促進が重要②民泊の具体化、旅行商品企画に対する交付金活用や海洋世界遺産ロード構築に向けた戦略的交流促進として、クルーズ航路開拓、世界自然遺産登録を一過性ブームに終わらせない交流③産業振興も見据えた奄美らしいスポーツコミッションの立ち上げとして、民間主体の継続取り組みの具体化―などに改定案を提出し、「交付金の必要性を伝え、予算確保へ向けて石井大臣に要望したい」と締めた。

 奄美から参加した伊集院会長は「先生たちのおかげで心強い。奄美は変わりつつある。人が増えてきた。これからどう飛躍するか国の制度を使いながら、取り組んでいかないといけない。これまでの成果と予算を実のあるものにし、加速できるように予算獲得へ向けて、今後も尽力を」と謝辞とあわせて要請した。

 その後、尾辻委員長らは石井国交相へ要請活動。新奄振法の新メニューを盛り込んだ要望書を手渡し、遠山衆院議員は「自公で団結している。最終年度の要望を聞き取って欲しい」と訴えた。