「島嶼の生態系を守るため」下

2017年11月21日に崎原小中学校で行った出前授業の様子

ネコは人がきちんと管理してこそ幸せ

 

奄美ネコ問題ネットワーク

 

副代表 鳥飼 久裕

 

 奄美ネコ問題ネットワーク(ACN)は、ネコの愛好家が集まった奄美猫部、マングースやノネコなど奄美に持ちこまれた外来哺乳類を中心に調査研究をしている奄美哺乳類研究会、野鳥をはじめとした生き物好きが結集した奄美野鳥の会の3つの団体が中心になって、2015年の11月に結成されました。

 結成のきっかけは、ノネコが奄美の希少動物を襲っていることが明らかになったことでした。まずはこのノネコをなんとかしなければならないという問題意識で、意見が一致したのです。

 飼い主が明確なネコを飼いネコ、飼い主ははっきりしないけれど人家付近でえさをもらっているネコをノラネコ、野山で自活しているネコをノネコと呼びます。では、ノネコはどうやって奄美の森で暮らすようになったのでしょうか。奄美は集落と森が近いため、集落に住みついているノラネコがふらふらと森に入っていくことがよくあります。こうやってノネコが誕生します。

 奄美では年度末になると島外への引っ越しが増えます。このとき連れていけなくなった飼いネコが山に捨てられ、ノネコとなるケースもあります。つまり、飼いネコ、ノラネコ、ノネコは分けて考えられるものではないのです。

 最初の問題意識はノネコを野山から排除したいということでしたが、ノネコだけを切り離して問題解決はできないことがわかってきました。問題の根っこは人間のネコの飼い方にあります。ネコは人が長い時間をかけてペットとして改良してきた動物です。したがって、人がきちんと管理することこそがネコにとっても一番幸せなのです。

 このネコの適正飼養の考え方が、残念ながら奄美ではまだあまり浸透していません。そこで私たちACNのメンバーは集落を回って講演会を開いたり、小中学校に出向いて出前授業をおこなったりして、ネコの適正飼養について訴えてきました。

 また、行政に対して、飼いネコ条例への要望を出したり、ノネコ対策への提案をしたりもしてきました。17日のシンポジウムではそれらの事例をご紹介したいと思います。

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 シンポジウムの日程は、17日午後1時~4時。場所が、AiAiひろば2階会議ホールとなる。

 また先着50人に、WWFオリジナルグッズをプレゼント。駐車場は、奄美市役所の駐車場を利用すること。

 問い合わせ先は、奄美猫部・ACN事務局TEL0997―58―7000。