浜田太さん受賞報告会・謝恩会

アマミノクロウサギの生態について記念講演をする浜田太さん

初公開映像交え紹介

 

クロウサギ生態記念講演会も

 

 奄美市名瀬の奄美観光ホテルで15日、写真家でアマミノクロウサギ生態研究家の浜田太さんを迎え「国際賞(ネイチャーズフォトグラフィアジア2017)および南日本文化賞の受賞報告会・謝恩会」(同実行委員会主催)および記念講演会が開催された。同講演では、浜田さんが30年以上に渡って観察したアマミノクロウサギの研究成果や活動を浜田さん自身が撮影した初公開の映像を交えて紹介。会場に集った多くの参加者らは、浜田さんの功績を称え、アマミノクロウサギの世界を探検した。

 同会は、国際賞と同文化賞を受賞した浜田さんが、感謝の意を込めて開催を申し出たもの。浜田さんは2017年度あまみワイルドライフセミナー「奄美の森からの報告・ここまでわかった!アマミノクロウサギの生態」(環境省奄美野生生物保護センター、奄美自然体験活動推進協議会主催)と題した記念講演も行った。

 壇上に浜田さんが登壇すると温かい拍手で迎えられ記念講演がスタート。浜田さんはまず、アマミノクロウサギの生態や身体的特徴などについて説明し、太古から生きのびたアマミノクロウサギの地理的要因による生存の歴史などを解説した。

 続いて、子育てから巣立ちまでの行動、求愛行動や縄張り争いなどの貴重映像を示し、ハブなどの危険生物との共存理由についても独自の見解を示すなど、これまでの研究成果や撮影秘話などが余すことなく語られた。

 最後に浜田さんはこれまでの生態研究を振り返り「先が見通せない中で、未知の世界へ人生をかけた挑戦だった」と話し、今後については「自分にノルマを課しながらこれからも続けていきたい」と展望し、同講演は幕を閉じた。

 この後、中京大学・加藤晴明教授が「アマミノクロウサギの子育て発見が果たした役割」をテーマに講演。謝恩会では、浜田さんの受賞作「奇跡の地球物語」の放映も行われた。