奄美大島利用適正化連絡会議

金作原の利用適正化実証実験など協議した第1回奄美大島利用適正化連絡会議

金作原で2月実証実験

 

 県自然保護課などは15日、奄美市住用町西仲間の住用公民館で2017年度「第1回奄美大島利用適正化連絡会議」を開いた。エコツアーガイド連絡協議会やレンタカー会社、関係団体などから約40人が参加し、自然を守り適正に利用するための実証実験を検討し来年2月の金作原での実験実施に合意した。

 開会で県自然保護課奄美世界自然遺産登録推進室の大西千代子室長があいさつ。「世界自然遺産登録に向けて、奄美の自然を守るため、利用適正化を図る必要がある。今回は、金作原での実証実験を協議する」と話した。

 議事では、▽金作原の利用状況調査等結果▽金作原の利用適正化実証実験▽金作原の利用ルールの課題―など協議。県担当者は利用の現状について、14~16年の3年間で金作原への入込車両台数と入域利用者の数は増加していると報告した。

 それによると1日あたりの入込台数は、5・3台(14年)から7・2台(16年)に上昇。入込者は1217人(14年)から、3856人(16年)と大幅に増えている。

 金作原での利用適正化実証実験は、多人数利用などによる自然環境への負荷を低減させるとともに、質の高い自然体験の提供を図る目的で実施すると説明。18年2月16~22日にかけて、①利用人数、台数②利用者による評価③ガイド同士の予約調整④ルールの周知―などを検証するとした。

 実験ルールとして、通行規制や認定ガイド同行義務付け、台数と人数の制限を解説。バス事業者などから、「バスツアーの予約が半年前に済んでいる。実験期間中の認定ガイド同行は除外してもらえないか」、「林道知名瀬線の安全面をどう考えているか。増大する観光客に対応できるのか」などの意見が出された。

 環境省奄美自然保護官事務所の千葉康人上席自然保護官は、「スタルマタ線などでナイトツアーが増加している。金作原のように利用調整が必要だろう」と指摘。今後について県担当者は、細かいルールなど次回に示すとし第2回会議は来年1月開催予定と発表した。