東京で「みしょれ奄美の島唄」

シマ唄を歌い上げる村田キヨミさんと、三味線を演奏する折原誠司さん

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ヒギャ唄を披露する、永井しずのさん(右)と三味線で共演する田井陽子さん

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田井(左)さんらの唄にたくさんの人たちが踊りだし、熱気にあふれるライブハウス

ヒギャ唄の調べにじっくり耳傾ける

 

 【東京】練馬区にあるライブハウスの「BEborn」で10日、「みしょれ!!奄美の島唄」というシマ唄を聴くイベントが開催された。会場には奄美出身者ら約60人が詰めかけ、懐かしの調べにじっくりと耳を傾けていた。

 ヒギャ唄を引っ提げて、やって来たのは、「奄美シマ唄日本一大会」の大賞受賞経験者で唄者・永井しずのさん。唄者の田井陽子さんと共に上京した。

 同じ「朝花節」でもシマ(集落)によって歌い方が違うなど丁寧に説明した後、伸びやかな声をライブハウスに響かせた。「地域で唄い方が違うので、どの先生も正しい。これが本当の唄い方というのはない。だから間違っているよとは、言わないでね」と笑いを誘った。

 年に1度のペースで上京するという永井さんは、「唄う人が少なくなって行く中で、どうやって継承していくかが大変なんです」と語った。ライブは、時節柄の話題で会場を沸かせながら進行。ほかに、東京山ゆり会から折原誠司さん、村田キヨミさんが出演して熱唱。観客としてやって来た、徳原大和さんらも舞台に上げられ、唄声を届けた。

 会を主催したのは、練馬区役所の横山哲也さんを中心にした「カケロマ6(シックス)」という仲間たち。横山さんは「大成功です。またこのような機会を設けたい」と手応え十分に語っていた。

 「みしょれ」とは、奄美の昔からの方言で「いらっしゃい」の意味。また「ヒギャ唄」とは、北部のカサン(笠利)節に対して、抑揚が激しい中南部のヒギャ(東)節のこと。