「近藤麗子〝CALLING〟」

個展を訪れた人たちに奄美の自然のことなどを説明する、近藤麗子さん

喜界3部作と近藤さん_5019
自らのチョウの目線で描いたという喜界島3部作と近藤麗子さん

個展での販売_5016
個展では、近藤さんのグッズや牧岡奈美さんのCDも販売されている」

チョウが喜界島の大自然舞う大作も

 

来場者を絵と「マジック」で魅了

 

 【東京】奄美の自然に魅せられた画家の近藤麗子さんが、千代田区三崎町の「OhshimaFineArt」で「近藤麗子〝CALLING〟」と題した個展を開催中だ。チョウが喜界島の大自然を舞う100号以上の大作が展示されている。なかにはある仕掛けをした作品もあり、訪れた人たちは近藤さんの絵と「マジック」に魅了されていた。

 展示されているのは、「喜界島3部作」を含む十数点。奄美出身でない彼女は、あるとき雑誌で目にしたガジュマルに、導かれるよう喜界島の森の奥へ。その場のエネルギーを大切にしながら全身を通じ制作する近藤さんだが、虫が苦手。四方に結界を貼るように自らを囲んで虫除けを焚いて絵に没頭した。すると煙が高く立ち上り、たちまち消防に通報される騒ぎとなった。

 そこに駆け付けたのがチョウに詳しい、喜界島の町役場の人物だったことから、「それからは怪しまれず、町の人たちにとても親切にされ順調に描けました」とのエピソードを明かした。

 2010年に喜界島を訪れ、自らをチョウの目線で描いたオオゴマダラ、アサギマダラなど特有のチョウがガジュマルの森や絶景の海岸線を舞う150号を筆頭にした3部作は圧巻だ。そんな緻密で迫力のある作品の中に、ある仕掛けが。ライトを消すと花が咲いたり、海の色が変わるのだ。一部に蛍光の彩色が施され、同じ作品だが昼と夜の世界が広がる。

 「写真では分からないので、実際に来てくださいね」(近藤さん)。近藤さんののマジックに魅せられ「喜界島に今度初めて旅行することを決めました」と話す人も現れた。

 近藤さんは「作品を通じて奄美の自然に興味を持ってくれる人がいれば本当にうれしい」と目を輝かせていた。会場には、近藤さんの作品をCDジャケットに採用した喜界島出身の牧岡奈美さんの唄も流れ、目と耳で奄美の世界を堪能できる。個展は午後1時から同7時までで23日が最終日。場所はJR水道橋駅下車徒歩約3分。