沖永良部で「墓正月」

親族が集まり祖先と共に新年を祝った=知名町田皆集落=

祖先と新春到来喜ぶ

 

 【沖永良部】年の暮れに各家庭に迎えた祖先の霊を、再び墓へ送る沖永良部島の伝統行事「墓正月」が16日にあった。知名町田皆集落の共同墓地では、午前中から親族が一重一瓶を持ち寄り、祖先と共に新年の到来を喜んだ。

 同町在住の新納善八郎さん(60)は、午前9時ごろに親族とともに墓を訪れると、墓石の掃除や酒宴の準備を行った。正月料理が入った重箱などを囲んだ親族らは、お酒を酌み交わしながら世間話に花を咲かせた。

 新納さんは「家族が集まる楽しみな日。親は高齢で墓に来ることができなくなったが、若い世代がこの伝統を引き継いでいきたい」と話した。

 墓正月を済ませた住民らは、午後から昨年中に不幸があった家庭を回り、祖先と新年を祝った。