各焼酎の出来を確かめる審査員ら
【鹿児島】2017酒造年度(17年7月―18年6月)に県内で製造された本格焼酎の出来ばえを評価する県本格焼酎鑑評会が18日、鹿児島市錦江町の県酒造会館であった。
県酒造組合が本格焼酎の酒質向上を目指して毎年実施している。今年はサツマイモ、黒糖、米、麦の原料別に102製造場から230点の出品があった。このうち奄美の黒糖焼酎は16製造場、32点だった。
熊本国税局鑑定官室の山根善治室長を審査長に、県工業技術センター、鹿児島大から8人が審査を担当した。審査委員は、グラスにくみ分けられた焼酎の香りをかぎ、口に含みんで「香りと味わいの調和がとれ、全体のバランスがとれているか」(山根室長)を基準に採点していた。
黒糖に関しては「原料由来のほのかな甘みが感じられるものやきれいで口当たりの良い味わいのものが多かった」と山根室長。「欠点のない高品質なものが出品されていた」と評価していた。
16酒造年度、鹿児島県の本格焼酎全体の生産量は、14万5963キロリットルで前年比98・4%。出荷量数は11万5332キロリットルで前年比95・6%と減少傾向が続いている。焼酎全体の出荷量数は3年連続で宮崎を下回った。県酒造組合では、今後の需要拡大が見込める首都圏以北で試飲会などのイベントを開催し、需要の開発、拡大を積極的に進めていきたいという。
中玉利豊専務理事は「今年の大河ドラマや明治維新150年、奄美の世界自然遺産登録、2020年の国体と、鹿児島に吹いている『追い風』を利用しない手はない。この流れをどう焼酎に取り込めるか、組合で検討したい」と話す。山根室長は「まずは消費者の声を反映させつつ、各蔵の個性を明確に打ち出していくことが市場の開拓につながる」と提言していた。
審査結果の発表は2月9日、同市の城山観光ホテルであり、優秀な製造場、杜氏が表彰される。