学校ぐるみで外来植物駆除

関係者らが環境教育の実践方法について意見を出し合った

今後の活動計画、意見交換

 

龍郷町龍南中

 

 龍郷町の龍南中学校(福水浩一校長、全校生徒126人)では2017年度、1年間を通して外来植物の駆除活動に取り組んできた。19日、福水校長や田中真佐利教頭、関係者らによって今年度の活動の振り返り、今後の活動計画について話し合う意見交換会が開かれた。

 同校では11年度から生徒会活動として、毎年5月に同町番屋地区に繁殖していたオオキンケイギクの体験駆除を実施していた。17年度初めには、同地区の完全駆除を達成した。

 また同年度は1年生の総合的な学習の時間の一環として、多種にわたる外来植物の調査と駆除を実践。活動を通して、地域の自然問題について考察するとともに、環境への理解、課題解決に向けた研究の推進などを目標に掲げた。17年6月から10月にかけてアメリカハマグルマソウ、ヤナギバルイラソウ、シナガワハギ、セイタカアワダチソウの抜根作業を行い、同年12月には分布図の作成などを行った。

 この日は、同環境教育の概要の説明、来年度に向けた意見交換を行った。龍郷町生活環境課環境・衛生係の小林淳一主事は「子どもたちが先頭に立って駆除をしているのが感心。駆除の意義を理解して参加している子もいるように感想から読み取れた」と評価し、「ゲーム感覚で楽しめる要素を作れば子どもたちはもっと楽しむことができる。また、あえて駆除をしないエリアを作り、環境への影響を研究するのも良いと思う」などとアドバイス。

 また、名瀬保健所衛生室環境係の桑原庸輔技術主幹兼環境係長は「自然的な価値の高い奄美自然観察の森などを中心に駆除活動を行っていくのはどうか」と意見を出した。

 同活動を全面的にバックアップし続けた県自然保護推進委員の宇都宮英之さんは「手探りで進めてきたから完璧ではない。外来植物へのアクションは住民や行政が一体となって動くべき。ほかの学校での実施も考えている」と話した。

 同校は現在、教育課程組み換えの時期にあり、同活動の来年度の実施については2~3月にかけて検討する。また今回の学習の成果は、同町で今年9月に開かれる「町自由研究発表会・環境教育シンポジウム」で生徒らが発表するという。