「オオアマミテンナンショウ」

公共施設敷地に自生する徳之島固有種「オオアマミテンナンショウ」(国指定絶滅危惧IA類)=18日、同島南部

絶滅危惧・徳之島固有種

 

密やかに開花

 

 【徳之島】徳之島固有種で絶滅危惧植物の「オオアマミテンナンショウ」(サトイモ科)が、同島南部の公共施設敷地内に密かに息づき、その独特な形をした花弁を広げ始めた。数年前に〝灯台下(もと)暗し〟で同希少種の小群落が確認されていた。

 オオアマミテンナンショウは世界中で徳之島にのみ自生する固有種。環境省・レッドデータブックで絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い)に分類された希少種。高さは20㌢~30㌢。1~2月に仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる筒状の花を咲かせる。

 同じ徳之島固有種の「トクノシマテンナンショウ」が高山部に分布するのに対し、アマミテンナンショウは中山間部の琉球石灰岩土壌に根を張るのが特徴とされる。近年は盗採や農地開発などによる自生地の減少が指摘されている。

 身近過ぎる公共施設敷地内のくだんの小群落は、美化奉仕作業時の雑草刈り払いなどの試練にさらされ続けてきたがたくましく起死回生。認知後は、関係者に密かに見守られながら種をつないでいる。ただ発見当初に比べて、株数が減ったのは気がかりだ。