台風による葉部被害で品質(糖度)が「過去最悪」に低迷したままの徳之島のサトウキビ=16日、南西糖業㈱徳和瀬工場
【徳之島】徳之島さとうきび生産対策本部の運営企画委員会が16日、JAあまみ徳之島事業本部会議室であった。南西糖業㈱の製糖状況報告によると、急激な糖度回復が望めないまま、3町の平均買入糖度は前年同日実績比1・73度も下回る「過去最悪」の11・87度に低迷。製糖進捗率も大幅に遅延している。24日には、自民党野菜・果樹・畑作物等対策委員会による甘味資源作物現地調査・意見交換会が計画されている。
南西糖業㈱の製糖状況(同日午前10時ごろ現在)報告によると、伊仙、徳和瀬両工場への原料搬入量は計7万7109㌧(前年同日実績比4万511㌧減)。生産見込み量から見た進捗率も依然として39・15%(前年同日実績60・38%)と大幅に遅れている。
そして品質面では、昨年の台風22号の潮風害や、葉部損傷など被害が、品質面に深刻な影を落としたままだ。同日現在までの平均買い入れ糖度は▽天城町11・68度(昨年同日実績13・67度)▽伊仙町12・24度(同13・63度)▽徳之島町11・77度(同13・49度)となお低迷。
1㌧当たりサトウキビ価格(農家手取り額)の平均は1万9754円で、前年同日実績比だとマイナス2376円。同社の製糖歩留まりも低迷を続けているという。
南西糖業の担当者は「奄美大島(笠利)・与論・沖永良部は台風の被害はなかったが、種子島・喜界島・徳之島は影響を受け、徳之島が一番ひどい」。そして品質的には、「過去に経験したことのない最悪な状況。今後、急激な糖度の上昇は望めない。国会議員の方々この厳しい現状を見て、何らかの対策を検討してくれるのでは」と期待感をにじませた。
24日に徳之島現地調査・意見交換会を計画している自民党同委一行は、▽野村哲郎参院議員(農林部会長)▽宮下一郎衆院議員(野菜・果樹・畑作物等対策委員会会長)▽金子万寿夫衆院議員▽藤木眞也参院議員の4氏に、同事務局関係者らが随行予定。