里アンナさん「西郷どん」出演へ

「西郷どん」追加キャスト発表会見に出席した里アンナさん(後方左)は、他の俳優たちの中で堂々と会見に臨んでいた。中央が西郷隆盛役の鈴木亮平さん

愛加那の兄嫁・里千代金役で
「奄美の風を島唄とともに」

 【東京】現在放送されているNHK大河ドラマ「西郷どん」でオープニングテーマ曲を担当している、奄美市笠利町出身の里アンナさんが14日、本放送に俳優として抜てきされることがNHKから発表された。奄美が舞台となる5月中旬から下旬にかけて数回、登場する予定だ。

 徳川慶喜役に松田翔太さん、岩倉具視役に笑福亭鶴瓶さん、橋本左内役に風間俊介さん、桂小五郎役に玉山鉄二さん、勝海舟役に遠藤憲一さん・・・。新たな出演者が会見で発表されるなか、やや緊張した表情で411スタジオに里さんは、祖母の大島紬姿で艶やかに登場。「このような場所に立たせていただいて、とても緊張していると同時に、とても光栄に思っています」と語った。

 里さんの役どころは、愛加那の兄嫁・里千代金という気が強く、唄のうまさで知られる女性。「私は3歳の頃から奄美の島唄を歌っていますが、島唄の歌詞が多く生まれた時代が江戸時代と言われています。なので、歌詞の中から当時の人々の暮らしだったり、思いだったりをイメージしながら役作りに役立てたいなと思っています。鈴木亮平さんとお話させていただいたときに『奄美の風をたくさん吹かせてください』とおっしゃっていただきましたので、奄美の風を島唄とともにお届けしたい」と抱負を述べた。

 劇中では三味線を使っての島唄も期待されるところだが、「その時代に女性が弾くことはなかった」(関係者)ことから、里さんの演奏は見送られた。周りの人たちと共に唄ったり、一人で唄うシーンが予想される。

 奄美で梅雨明けの声が聞かれるころ、里さんの声が時代を超えて全国に響き渡る。ほかに、発表されたのは、将軍家定の母・本寿院役に泉ピン子さん、松平慶永役に津田寛治さん、龍佐民役に柄本明さん、祇園の芸妓おゆう役に内田有紀さん、京都の旅籠の仲居にハリセンボン・近藤春菜さん、小松帯刀役に町田啓太さん。