施政方針を示した朝山毅市長
奄美市議会は23日、本会議があり、朝山毅市長が2018年度施政方針を示した。朝山市政3期目のスタートとなる新年度予算編成ではは、マニフェストに掲げた主要事業の踏襲や拡充を強調。さらに世界自然遺産登録の実現や奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長拡充を踏まえ、「さらなる飛躍、発展していくための基礎づくりに向けた新たなステージ。総合計画の実現に努めたい」と意欲。将来を見据えた経済再生と財政健全化の両建てで取り組む姿勢を打ち出した。
朝山市長は09年の就任から2期8年間について、景気低迷による経済停滞からの脱却など難局の中での、公約達成8割を総括。その上で、新年度に向けては同市総合計画に基づき、「雇用と仕事」行動プラン、「家族と子ども」応援プラン、「暮らしと安全」推進プラン―を柱にした重点施策の推進を強調した。
福祉などに関しては、小学校卒業を対象とした子ども医療費助成を中学校卒業までの拡大を目玉に、3公立幼稚園の3年保育の実施や「子ども・保健・福祉複合施設」整備の基本設計に着手。また障がい者や高齢者に対する福祉計画を実施し、福祉社会の形成に努める。さらに保健・医療では、18年度から単位化される国民健康保険事業で医療費適正化を盛り込んだ。
観光振興では、航空・航路運賃軽減や旅行支援事業の充実による交流人口の拡大を図り、▽官民一体となったクルーズ船寄港誘致▽奄美群島アイランドホッピングルート▽大河ドラマ「西郷どん」に関連した周遊ルート構築▽屋久島との航路支援▽沖縄との交流・連携―に力を入れる。
世界自然遺産登録に向けては、国や県、群島自治体と連携して積極的に取り組む方針。
「島唄プロジェクト」など関連事業による自然・文化発信と合わせ、「飼い猫の適正な飼養および管理に関する条例」の普及啓発、避妊去勢手術、外来種対策、ノラ猫対策のTNR施策を展開する。
そのほか、農林水産業の振興では、タンカンなど重点振興作物の新規品目で「津之輝」を加え、施設整備などの推進や、情報産業の振興で光ブロードバンドの市内全域整備は18年度完了が見込まれている。
有効求人倍率の全国的な好調さを踏まえ、朝山市長は「景気の波が市内全域、市民一人ひとりに行き渡るよう、時代や社会の変化に呼応させた施策に取り組みたい」と結んだ。
本会議では施政方針のほか、18年度当初予算など関係する24議案を上程した。