JGAP認証取得より安心〝金ラベル〟

JGAPを取得したJAあまみ徳之島契約ばれいしょ部会員たち(前列中央はイトーヨーカ堂、奥和己バイヤー)=2日、伊仙町

価格アップ期待
JAあまみ徳之島契約ばれいしょ部会

 【徳之島】JAあまみ徳之島契約ばれいしょ部会(樺山博良部会長、会員10戸)が、食の安全や環境保全に取り組む個人・団体の農場を厳しい審査・判定を得て与える「JGAP(ジェイ・ギャップ)」認証を取得した。JA部会の同品目による同取得は県内初という。出荷の本格化を前に付加価値づけによるブランド力と価格アップに期待を寄せた。

 JGAPは、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる。農林水産省が導入を推奨する農業生産工程の管理手法の一つ。その「適切な農場管理の基準」は農薬・肥料・水・土・放射能の管理といった仕事などに明確な基準(項目120以上)を定めている。2020年東京五輪・パラリンピック選手村での食材は原則GAP認証の農家が作ったものしか認めない。農産物の輸出にも有効なツールになると重視している。

 JAあまみ徳之島契約ばれいしょ部会は徳之島、伊仙両町の農家らで約20年前に発足。同JA徳之島事業本部の選果場を通じ、㈱イトーヨーカ堂(本社・東京都千代田区)に年間約250㌧を契約出荷。生産者名を記して首都圏の店舗を中心に、消費者に届けている。

 出荷の本格化を前に産地ほ場調査で現地入りした同社青果部マーチャンダイザー(バイヤー)の奥和己氏(45)は、JGAP認証に「生産者の顔の見える野菜として生産履歴・工程管理を含め安心・安全に取り組んできた現状はあるが、さらに進んだ形でJGAPを率先して取得いただき非常にありがたい」と感謝した。

 県ブランドマスターでもある樺山部会長(79)=伊仙町=も「認証を受けたことで、さらに良いもの作りに一層努力が必要になる。気づかなかった項目も多い。他のばれいしょ部会にもJGAPの大切さを知らしめていく必要がある」と頬を緩めた。

 JAあまみ徳之島事業本部園芸課の叶貴嘉園芸係長(45)は「JGAP認証によって店頭では生産者の氏名・顔写真入りの『プレミアムゴールド』商品に格付けられる。市場価格面で厳しいが、これを機に価格回復にもつながればと思う」と期待を寄せた。

 認証期間は20年2月18日まで2年間。