「地域通訳案内士」57人合格

「地域通訳案内士」57人合格
地域通訳案内士育成研修の合格者に修了証が手渡された
修了証交付 新設の中国語研修は26人
広域事務組合

 奄美群島広域事務組合(管理者・朝山毅奄美市長)が実施する「奄美群島地域通訳案内士」の2017年度育成研修事業がこのほど修了し、新設した中国語研修と従来の英語研修を合わせ、計57人が修了試験に合格した。12日は、同市名瀬の奄美会館会議室で修了証交付式があり、奄美大島会場の合格者40人に修了証が贈られた。奄美に訪れる外国人観光客の対応が急がれる中、合格者には地域観光に特化したガイド役として活躍が期待される。

 通訳案内士は通訳案内士法に基づく国家資格だが、14年3月末の奄美群島振興開発特別措置法の改正で、同群島限定の「地域通訳案内士」制度を創設した。

 研修を行う同組合は、世界自然遺産登録を前に、外国人観光客に対する通訳不足や多様な観光ニーズへの対応として、有償ガイドが可能となる通訳案内士育成事業を16年度にスタートし、英語研修に47人が合格した。

 17年度は中国人観光客の入込増を見据え、中国語研修を新設。群島全体の合格者数の内訳は英語31人、中国語26人だった。合格者は3月以降、通訳案内を行う自治体に申請すると、ガイド登録される。

 出席した合格者に修了証を手渡した朝山管理者は「奄美の魅力を正しく伝えるという修了者の果たす役割は大きい」と述べ、これからの業務活動にエールを送った。

 合格者を代表して、同市名瀬の里岡麗子さん(66)=中国語修了=は「訪れた観光客が安心して、楽しめる思い出づくりに尽くしたい」。同市名瀬の朝木一仁さん(24)=英語修了=は「学んだことを今後、しっかり生かしたい」と通訳士としての意欲を語った。

 奄美大島以外の修了証交付式は16日までに各島会場で実施される。なお今年1月に改正通訳案内士法が施行され、「特例通訳案内士」から「地域通訳案内士」として修了証を交付。今後は奄振法でなく、現行同法に基づいて制度適用される。