休校前最後の卒業式

休校前最後の卒業式

式後には記念写真を撮影。名残惜しそうに関係者らは何枚もシャッターを切った

4月から休校する俵中学校

新たな旅立ちに100人駆け付け
瀬戸内町・俵中

 奄美群島内の中学校と小中併設校で13日、卒業式があった。卒業により校区内生徒数が2人になる瀬戸内町立俵中学校 (大山裕章校長、生徒5人)は4月から休校となる。この日同校で開かれた第69回卒業式には、地元住民や関係者、来賓など約100人が出席。3年生3人の新たな門出を祝い、同校の再開を祈った。

 同校は1948年に創立。これまでに1433人を卒業生として輩出した。今年度は仲山柊君、松本こほろさん、芳岡みなみさんの3人が卒業し、入学見込みの生徒もいないため休校が決まっている。

 大勢に見守られる中、卒業生3人は胸を張って大山校長から卒業証書を受け取った。大山校長は「卒業すると、限られた人数の中学校生活から自分の世界が広がる。変化の激しい時代、社会の中、どう生きていくか」と3人に問いかけ、「大切なことは挑戦する気持ちを持ち続けることだ」と激励。鎌田愛人町長は、「いつの日かまた、元気な子どもたちの声で集落がにぎわい、学校が復活する日が来ることを心から祈っている」と再開を願った。

 在校生の仲山空さん(1年生)は一人一人に感謝の言葉を述べ、「4月からも先輩たちと過ごした日々を胸に秘め、新しい学校で楽しく充実した日々を送りたい。先輩方も今まで過ごした日々を忘れずに、精一杯歩んでください」と語りかけた。卒業生代表として別れの言葉を述べた松本さんは板付舟での大島海峡横断で大きな達成感を得たことなどを振り返り、教員や、地域住民、家族への感謝の思いを口にした。

 また柊君と空さんの母・真友子さんは涙をこぼしながら「在校生の子を持つ保護者として再開できることを願っている。どうか皆さまのお力を貸していただければ。こうして多くの皆さんの温かい気持ちを受けて卒業できることを心から喜び、これからの新しい出発の力にしてほしい」と語った。