一村の絵画がパリで展示されることを発表した宮崎緑館長
パリで展示される作品の一つ「榕樹に虎みゝづく」=田中一村記念美術館提供=
奄美市笠利町の県奄美パーク田中一村記念美術館は14日、今年5月からフランスで開催される大型日本文化紹介企画「ジャポニスム2018」のうちの「深みへ―日本の美意識を求めて―」展で田中一村の絵画約20点が展示されることとなったと発表した。同展は7月中旬から8月16日にパリの「ロスチャイルド館」で開かれる。一村の作品が海外で展示されるのは今回が初だという。
同企画は日仏友好160周年を記念したものとして今年5月から来年2月までに開かれるもの。古代から現代までの芸術作品や舞台など、幅広い展示・公演が開かれる。同展では日本の美意識の要素を11テーマに分け、一村の作品は「生命の表現―南へ」のテーマのもとに展示される。
同美術館の宮崎緑館長は「(一村の作品)が世界の宝だということを世界中の多くの人に認識してもらいたい。世界の舞台で見ていただくことで一村をその生きざまではなく、芸術としての純粋に評価してほしい」と期待を寄せた。
また同館でも田中一村生誕110周年を記念し、「田中一村展」を全3期企画。第1期・2期では奄美での作品はもちろん、奄美を訪れる前の千葉や東京で描かれた作品などの作品群も印象的に展示。第3期は世界自然遺産登録に絡め、「奄美に魅せられた日本画家」というテーマで、奄美に訪れてからの19年間に生み出された作品群を大規模に展示する。それぞれ通常80点程度の展示を約110点ずつ展示する予定だという。
また、「田中一村を魅了した奄美フォトコンテスト」など生誕110周年を記念したさまざまな企画を用意している。第1期「奄美への道Ⅰ―田中一村展―」は今月23日からスタートし、6月19日まで。
同館での企画展に関する問い合わせはTEL0997―55―2635(県奄美パーク田中一村記念美術館)まで。