自然遺産候補地 保全・活用徳之島

自然遺産候補地保全・活用方針を協議(写真は公共事業部会)=16日、徳之島町

観光活用ルールづくりを
問い合わせ窓口〝一元化〟要望も

 【徳之島】2017年度奄美群島世界自然遺産候補地保全・活用検討会の徳之島公共事業部会と自然利用部会(県主催)が16日、県徳之島事務所会議室でそれぞれあった。公共事業部会の意見交換では、環境配慮指針のアドバイザーの位置づけや県への諸手続きの迅速化、雑草処理のあり方。自然利用部会では、観光活用へのルールづくり、エコツアー問い合わせ窓口の一元化などの充実を求める意見・要望もあった。

 両部会それぞれ県自然保護課・奄美世界自然遺産登録推進室や国(環境省・林野庁)、3町担当課、民間団体代表ら約40人が出席。県側が公共事業に絡む環境配慮指針案、トレイルコースの選定・設置・開通状況などたたき台を説明して意見交換した。

 公共事業計画への環境配慮指針(アドバイザー制度)で県側は、アドバイザーは徳之島自然保護協議会メンバーらも検討、必要な研修会なども経て登録する案も提示。公共工事施工時期との兼ね合いでは、NPO関係者は「手続きが煩雑にならない方法」を要望。希少植物に対する草刈り配慮区間や外来植物に関連、林野庁徳之島森林事務所側は「(路傍で)刈った雑草が、近くの森林内に捨てられている」と指摘し、適正処理を求めた。

 自然利用部会では、国立公園・特別保護区や自然遺産候補コア地域が含まれる徳之島町林道「山クビリ線」のゲート施錠、申請・許可制度方針案も確認。観光連盟側の独自の旅行商品化・コース設定意向に、NPO関係者は「コースを自由設定して数十人規模で入ってもらうと荒れ放題に。ルールづくりが必要」と指摘。環境省(自然保護官)も「利用する所と保護すべき所をしっかりとわきまえて欲しい」とアドバイス。

 窓口の一元化でNPO側は「(観光など)問い合わせが〝たらい回し〟にならない運用組織をしっかりとつくって」とも要望した。