鮮やかな新緑に山々輝く

鮮やかな新緑に山々輝く

まばゆい新緑と龍郷湾の青が美しい対比を見せた(24日、龍郷町奄美自然観察の森・魚眼レンズ使用)

龍郷町・自然観察の森

 春分の候を迎えた奄美群島。春彼岸の明けともなった24日は各地で一面に青空が広がり、風薫る春らしい気候となった。山々の樹木はこの時期を待っていたように若葉を吹かせ、まばゆい新緑が新たな季節の訪れを物語たった。

 龍郷町の奄美自然観察の森では、まだまばらな野鳥の鳴き声が響くのみ。施設内の展望台にのぼると、目にまばゆい新緑と龍郷湾の透き通った青が美しいコントラストを見せ、春の輝きを見せていた。

 萌黄色に輝く照葉樹の森の代表的な樹種はブナ科シイ属のスダジイ(イタジイ、オキナワジイ)。温帯から亜熱帯まで分布するが、奄美大島以南に生育するのが亜種(琉球列島固有)のオキナワジイだ。年間を通して常緑の森も新緑の頃には装いを変え、鮮やかな輝きとともに “もこもこ”とした柔らかい印象も与える。

 鹿児島地方気象台の予報では、25日は晴れのち曇り。週間予報を見るとしばらくは晴れと曇りが交互に訪れる日々となりそう。気温も暖かく、名瀬の最高気温は22~24度で推移する見込み。異動や就職・進学で島を離れる人が多いこの季節。思い出作りや春の行楽として新緑の森に足を運んでみてはいかがだろうか。