築地さんをしのんでシマ唄を披露する、伊成実さん(左)とRIKKIさん(右)
池田里奈さんと築秋雄さん。池田さん、築さん、伊さんは同ステージで「築地俊造と若者たち」で共演している
在りし日の築地俊造さんの演奏に、場内は聞き入った
【東京】新宿区大久保の「R’sアートコート(労音大久保会館)」で8日、昨年4月に亡くなった唄者・築地俊造さんを追悼するライブが行われた。築地さんに縁のある人たちが出演、駆け付けた130人の観客は、その歌声に聴き入りながら偉大な唄者の功績をかみ締めていた。
追悼するライブに出演したのは、築地さんと同じステージで共演したことのあるRIKKI(リッキ)さん、築秋雄さん、伊成実さん、池田里奈さんの4人。「正直(病気のことは)分かっていたけれど、亡くなる1年ほど前に私のシマでのライブに出てくれました。その時の声は、魂の声として私の脳裏に焼き付いています」。そう感慨深く語ったRIKKIさんは、渋谷ジァン・ジァンやルーマニア、パリなど海外公演でのエピソードも紹介。伸びやかな声の伊さんと共に「よいすら節」「くるだんど節」などを披露。築地さんへの祈りを込めて、アルバムから「立神様」も場内に響かせた。
続いて、築さんと池田さんが登場。父親が築地さんと同級生で、遠戚に当たる築さんは「朝花をロック調で歌ったところ、さまざま人に言われたが、『シマ唄も新しい音楽にしていければいいんんだよ』と、励ましていただき有難かった」と振り返り、「ヤチャボー」を魂を振り絞り熱唱。池田さんの絶妙なフルートに合わせ「行きゅんにゃ加那」をロック調でシャウトした。
4人が演じたステージからは、築地さんの思いをアーティストとして引き継いでいくと同時に、感謝の気持ちが伝わってきた。また、在りし日の築地さんが「まんこい節」を唄う映像や、4人で築地さんの作った「兄弟っくわ」も届けられ、席を埋め尽くした観客の大きな拍手を浴びていた。その後、会場全体での「六調」でフィナーレとなった。