西郷菊次郎の縁で交流

西郷菊次郎の縁で龍郷町を表敬訪問した台北駐福岡経済文化?事處の戎義俊處長(左から2人目)

駐福岡台湾総領事館・表敬訪問
龍郷町、6月に宜蘭市へ 8月「菊次郎シンポ」開催

 西郷隆盛の長子で龍郷町の名誉町民である西郷菊次郎の縁で台北駐福岡経済文化?事處=べんじしょ=(駐福岡台湾総領事館)の戎義俊處長=えびすよしとししょちょう=(総領事)たち一行が16日、福岡から空路で奄美入りし奄美市と龍郷町を表敬訪問した。龍郷町では竹田泰典町長などと面会し、今後の台湾宜蘭市との交流や台湾での菊次郎の功績などについて懇談した。また2月台湾花蓮県で発生した最大震度7の地震に対し、町民の寄付などからお見舞い金が竹田町長から戎處長に手渡された。

 西郷菊次郎は西南戦争後に外務省で活躍し、日清戦争後に日本領となった台湾へ赴任。1897年(明治30)から初代宜蘭庁長として、巨額の予算を総督府から獲得して宜蘭河の堤防工事が行われ水害を防ぐなど多くの功績が残っている。

 奄美市の表敬後に同町役場町長室を訪れた戎處長一行は、竹田町長たちと名刺交換。戎處長は、「台湾では、西郷菊次郎の功績が称えられていることと、自分が35年前に日本留学して鹿児島県金峰町にホームステイした時の家族から奄美大島旅行を勧められていたことなどが今回の訪問の背景」とし、「台湾で奄美大島と龍郷町の知名度を上げたい。知名度があれば、台湾からたくさん龍郷町に訪れるだろう」と話した。

 また同町は明治維新150年の節目の年である今年、西郷隆盛、菊次郎とゆかりの地域の京都府京都市、熊本県菊池市、台湾宜蘭市との交流を企画。竹田町長から6月の宜蘭市表敬訪問や8月同町開催の「西郷菊次郎シンポジウム」に宜蘭市長を案内する予定であると説明が行われ、「菊池源吾(西郷隆盛)を通して菊池市と交流し姉妹都市になっている。宜蘭市とも交流を深めて行きたい」と今後の交流促進への期待が述べられた。

 戎處長は2013年の総領事就任以来5年を経て、初めての奄美大島訪問。奄美の印象について、「幼少期を過ごした台湾東部の花蓮県、台東県の風景によく似ている。飛行機を降りた瞬間に、懐かしさを感じた」と話した。訪問を機に、「今後も交流を深めていき近い将来、姉妹都市締結など見据えていければ」と語った。

 また戎處長一行は、20日開幕する町生涯学習センターりゅうがく館の企画展「西郷隆盛と菊次郎展」の展示状況や町内の西郷菊次郎関連史跡3カ所、奄美大島紬村などを見学し今回の訪問を終え奄美空港から帰路についた。