自民党・奄振特別委

行政ヒアリングでは、県や奄美の行政機関と意見を交わした

奄美大島、喜界島視察
尾辻委員長「奄振延長、必ずやり遂げる」

 自民党奄美振興特別委員会(尾辻秀久委員長、金子万寿夫事務局長)は15日から2日間の日程で奄美大島と喜界島を現地視察した。
今夏を目指す世界自然遺産登録と、2018年度末に期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法の延長を見据え、16日は奄美市名瀬の奄美会館で行政ヒアリングを実施。二大案件の実現に向け、地元の関係機関と意見を交わした尾辻委員長は「奄振延長は必ずやり遂げる。また万全を期して、同登録の実現も果たしたい」と意欲的に応えた。

 視察には尾辻委員長、地元選出の金子事務局長ほか、県、九州の同党衆参議員6人が来島。15日は、県大島支庁、奄美群島広域事務組合、奄美大島島内自治体の関係者の案内で、油漂着現場(朝仁海岸)や観光ルートの金作原などを確認したほか、名瀬瀬戸内線根瀬部国直工区の宮古崎トンネル建設進ちょく、環境省奄美野生生物保護センターの活動について報告を受けた。

 また大和村国直のNPO法人「TAMASU」との懇談では、団体が取り組む積極的な体験型まちおこしを応援。行政の助成や補助事業などを生かしながら、自立した民間活動を促した。

 16日に開いたヒアリングで県側は、群島の自立的発展につなげるため、「充実した支援措置は必要」との見解を示唆。三反園訓知事は「奄振延長に向け、委員会の尽力をお願いしたい」と述べ、施策の拡充と推進に理解を求めた。

 奄美群島広域事務組合は社会情勢の変化を踏まえ、現在進めている「奄美群島成長戦略ビジョン」の一部改訂を説明。多様なニーズに対応した観光スタイルの構築や重点3分野を中心とした雇用創出、輸送コスト支援の推進と関連施策を要望した。

 なお同日午後は喜界島入りし、豪雨災害の被災状況確認など各所を回った。

 今回の視察について尾辻委員長は「世界自然遺産登録と奄振延長の課題を抱えている現状を踏まえ、現地の様子を直接確認する必要があった」と総括。その上でNPO団体との交流、サトウキビ産業の対処など意義を強調した。