徳之島キビ、糖度・歩留まり過去最低

徳之島キビ、糖度・歩留まり過去最低

記録的な品質低迷下、今期サトウキビ圧搾を終了した南西糖業(写真は徳和瀬工場)=17日、徳之島町

台風塩害重く登熱伸び悩む
南西糖業も圧搾終了

 【徳之島】徳之島の南西糖業㈱(田村順一代表取締役社長)は18日までに2017/18年期産サトウキビ原料の圧搾を終えた。同大型2工場への搬入・処理実績は3町合わせ18万9715㌧(前期比3万984㌧減)。品質面では台風に伴う極めて深刻な潮風害(塩害)で登熟が遅れたまま平均買入れ甘蔗=かんしゃ=糖度、同社製糖歩留まりともに過去最低を記録した。

 同社徳之島事業本部(原料統括部)によると昨年12月20日の年内操業開始後、原料受け入れは15日に伊仙工場(延べ日数96日)、16日には徳和瀬工場(同97日)も終了。町別の搬入処理実績(小型工場分除く)は▽天城町7万4986㌧(10㌃平均単収6・2㌧)▽徳之島町5万9034㌧(5・2㌧)▽伊仙町=5万5695㌧(4・9㌧)だった。

 一方で品質面は、昨年10月の台風22号の直撃に伴うキビの倒伏・葉部損傷・折損・塩害などの影響で登熟が大きく伸び悩んだ。最終的な原料買い入れ甘蔗糖度の平均は12・49度(天城町12・28度、徳之島町12・59度、伊仙町12・66度)。全体の約67%が基準糖度帯(13・1度~14・3度)以下に大きく停滞した。

 品質取引開始(1994/95年期)以降で最低だった13・34度(2011/12年期)のワースト記録大きく更新。この記録的な糖度低迷・品質悪化は、前期産(平均13・87度)比だと生産農家手取り価格が1㌧当たりマイナス1939円。全体だと約3億6785万円の減額に。同時に同社工場の製糖歩留まりも11・3%と、それまでの過去最低(79/80年期11・42%)を更新した。

 同社原料統括部は今後の対策について「増産への機運が高まっており、できるだけ支援して来期生産量の確保にまい進したい。人手不足が顕著化しているので小型トラクター用のプランター(植え付け機)の製作支援など手段も講じたい」と話した。