実際にハブを見た職員らからは驚く声も聞こえた
県大島支庁保健福祉環境部衛生・環境室は23日、奄美大島の新任職員らを対象に「2018年度大島支庁世界自然遺産セミナーおよびハブ咬傷予防対策講習会」を同大会議室で行った。職員らは、世界自然遺産登録を前に、現状や課題、今後の取り組みについて学んだほか、ハブの習性やかまれた場合の応急処置などを教わった。
講習は、今年度新たに奄美大島に赴任した世界自然遺産、希少野生生物などの業務に従事する市町村職員らが対象。同セミナーは「世界自然遺産および希少野生生物等について」、同講習会は「ハブの生態と安全対策及び毒吸出器について」をテーマに講話が行われた。
セミナーでは、世界遺産の目的や概要を始め、奄美の登録基準でもある「生態系」と「生物多様性」などを解説。同室・桑原庸輔技術主幹兼環境係長は、先の登録の屋久島を例に、観光産業におけるメリットや登録後の課題なども紹介した。
登録にかかる課題と題して、IUCNから指摘のあった「ノネコ問題」にも大きく注力。ノネコの行動範囲や生息域、管理計画や今後取り組むべき方向性なども併せて示唆した。
続く講習会では、ハブを中心に奄美に生息する毒ヘビの咬傷の予防対策を指導。同室・染川勇樹薬務技師は「ハブは直射日光に弱い」「やぶに入るときは棒でたたきながら入る」などレクチャー。かまれた時に素早く毒を吸い出す吸出器の使用手順なども実践した。
最後は、恵俊也ハブ対策員が生きたハブを前に、その動作や捕獲方法などを確認。「ハブは温度を察知して回りこむ。胴体だけ見ていては危険。頭をしっかり見て押さえてほしい」とアドバイスした。
ハブを初めて見たという20代男性職員は「思っていたより大きくて驚いた。ハブも活発化の時期を迎えているので学んだことを生かし対処したい」と話した。