クルーズ船内で「奄美フェスタ」

クルーズ船内で「奄美フェスタ」

奄美の島唄を披露したあやまる会の子どもたち


あらしゃげ会の八月踊り体験イベントで、乗客も参加して六調で盛り上がった

島唄など奄美の文化でおもてなし
乗客、充実した滞在時間過ごす

  奄美大島観光協会と(一社)あまみ大島観光物産連盟が主体となった交流イベント「でぃ!いもーれ奄美フェスタ~ようこそ奄美三昧な一日~」が22日、奄美市名瀬の観光船バースに入港したクルーズ船内で行われた。乗客約390人が、子どもたちの島唄などの発表や、住民と一緒に八月踊りなど体験し充実した滞在時間を過ごした。

 名瀬港に入港したクルーズ船は、日本クルーズ客船㈱の「ぱしふぃっくびいなす」号(2万6594㌧)。春の南西諸島めぐりクルーズと銘打って、18日から25日にかけて神戸~屋久島~与論~本部~奄美大島~神戸~東京の行程で奄美大島に寄港した。

 今回の奄美滞在時間が午前8時から午後11時までと長時間になることから、クルーズ側から住民と交流できる文化体験イベントの開催を打診されていたという。奄美大島の13団体など約130人が協力して、船内ラウンジやホール他で島唄などの発表や、大島紬の着付け、黒糖焼酎試飲、八月踊りを体験するおもてなしイベントを実施した。

 7階メインラウンジでは、あやまる会の子どもたちとフラカオスタジオの子どもたちが島唄とフラダンスを披露。あやまる会の子どもたちは大島紬の衣装で、朝花節やワイド節など7曲を歌い上げた。

フラカオスタジオの子どもたちは、フラやタヒチアンダンスなど5曲を踊り終えて、観客に奄美の貝殻をプレゼントとして手渡した。

 休憩をはさみ同ラウンジで、あらしゃげ会が八月踊り体験教室を実施。同会の踊り手たちは「祝付け」、「サンダマケマケ」の2曲を実演して、乗客を踊りの輪に誘い最後は参加した全員で六調を踊りフィナーレを迎えた。

 あやまる会所属の辻竜生君(名瀬中2年)は、島唄「塩道長浜節」を歌唱。「発表は緊張した。また交流イベントがあれば参加したい」と話した。

 宮城県仙台市から参加した高橋好司さん(68)・とし子さん(69)夫婦は、年2回ほどクルーズ船観光を楽しむという。好司さんは2度目、とし子さんは初来島。この日は午前中、オプションのマングローブカヌーを体験して、イベントで子どもたちの島唄とフラダンスを観賞した。

 とし子さんは、「島唄を聴いて、とても良かった。伝統文化がちゃんと引き継がれているのが感じられた。フラも小さい子などが、しっかり発表していて良かった」と感想を話した。

 あまみ大島観光物産連盟の担当者は、「ぱしふぃっくびいなすは、奄美を何度も訪れているクルーズ船。準備は大変だったが、今回の経験が次につながる。またクルーズ側が寄港地の食材を求めていたので、それを紹介できて良かった」と語った。