特別企画展「西郷隆盛と菊次郎展」を見学した拓殖大学の福田理事長(左)
台湾の宜蘭庁長や京都市長など歴任した西郷菊次郎の縁で学校法人拓殖大学の福田勝幸理事長らが24日、龍郷町の生涯学習センターりゅうがく館を訪れ特別企画展を見学した。福田理事長らは同館に貸し出した資料が整然と展示されている状況を視察し、今後も企画展に資料貸し出して追加する予定とした。視察後に同町役場で、竹田泰典町長などを表敬した。
西郷菊次郎の次男・隆治氏と三男の隆秀氏が同大学の出身。また隆秀氏は1955~64年まで、同大の理事長を務めていた。
この縁で拓殖大学が龍郷町の特別企画展「西郷隆盛と菊次郎展」のため、同大の保有している菊次郎の資料を貸し出した。町教委学芸員の川元美咲さんによると、企画展に15点ほど借り受けて現在約10点を展示中とした。
貸し出された資料は、菊次郎の孫にあたる諌山尚子さんなどが大学に寄贈したもの。菊次郎が米国フィラディルフィアの独立記念館で購入したステレオグラムカードや、台北県支庁長等に任じられた際の辞令書などが、説明パネルとともに展示。同大によると菊次郎に関する資料が、大学外に出て一般公開されるのは今回が初めてだという。
視察を終えた福田理事長は、「資料を貸し出した側として、どのようになっているか見たかった。大学の創立百年史編さん室長も兼ねているので訪問した」と説明。「菊次郎に関する資料は昨年、寄贈を受けて未整理な状態。龍郷町が構成をしっかりまとめ展示しているのが分かりよかった。大学でも今後の活用が期待できる」と話した。
また福田理事長は、自身が台湾宜蘭県を訪問した経験から、菊次郎が宜蘭庁長として勤務していた公舎(現・宜蘭設治記念館)の写真を見ながら川元さんに現地の様子などを紹介。今後も菊次郎に関する資料を追加で貸し出して、龍郷町の企画展に協力していくとした。
川元さんによると、資料の劣化を防ぐなどの目的で10月ごろに、展示中の資料と追加の資料を入れ替える予定という。