スペースが以前より倍以上になった搭乗待合室(2階)
到着コンベアを増設し、混雑緩和を図った手荷物受取所(1階)
6月末の完了に向け、増築・改修工事が進められている奄美市笠利町の奄美空港ターミナルビル。利用空間の拡張や混雑緩和を図るため、利用客の要望が高かった手荷物受取所と搭乗待合室の拡張はすでに完了。奄美・沖縄の世界自然遺産登録を見据え、関東や関西の都市圏を結ぶ「空の玄関口」のリニューアルは順調に進んでいる。7月のグランドオープンを目指す。
工事は現在の旅客ターミナルを増築・改修し、今後も増加が見込まれる利用客に対応するため、待合ロビーや手荷物さばき所など施設機能を強化するのが目的。1988年の開業以来、最大規模のリニューアルとして2016年6月、本格工事に着手。4月末現在、進ちょく率は9割を超えた。
施設の延べ床面積は従来から1・8倍に拡張し7545平方㍍に。特に混雑緩和が求められていた、手荷物受取所の到着コンベアは1基追加して2基となり、搭乗待合室と出発・到着ロビーはそれぞれ2倍以上広がった。
奄美群島航空運賃低減事業や格安航空会社(LCC)就航による航空路の利用喚起を背景に奄美大島への入込数は大きく増えた。
同空港の乗降客実績は、3年連続で最多記録を更新中。17年度は77・3万人を達成した。
18年度は自然への関心やNHK大河ドラマ「西郷=せご=どん」放送による来島者増加は確実。さらに約6年半ぶりにスカイマークの鹿児島路線就航(8月1日)も明らかとなり、施設利用の度合いは高まっている。施設関係者は乗降客80万人を視野に、空港内の観光案内所設置やWiFi(ワイファイ)サービスの全館対応など環境整備を急ぐ。
同ビルの瀧清一業務部長は「リニューアル工事で利用者の皆さまにご不便をおかけしている。一日も早い共用開始に努めたい」と述べた。
大阪直行便で到着した女性(23)は「以前よりも施設内が広くなり、使いやすくなったと感じた」と話した。