吉田実代選手(左端)の初防衛を祝った(右から)今井力夫町長、後援会の松元道芳さん、祖母の渡辺昭美さん=7日、知名町=
試合直後、娘の実衣菜ちゃんを抱いて喜ぶ吉田選手。コスチュームの上着には「おきのえらぶ島」のロゴが入っている(提供写真)
【沖永良部】ボクシング日本女子バンタム級タイトル戦で初防衛に成功した吉田実代選手(30=EBISU K`s BOX)が7日、沖永良部島に凱旋した。地元の支援者らと祝賀会を開いた吉田選手は「初防衛してようやく真のチャンピオンになれた。自信を持ってリングに上がれたのも、島からの応援のおかげ。これからも地域密着で頑張りたい」と笑顔で話した。7月11日には、東洋太平洋タイトルマッチが予定されている。
吉田選手は沖永良部2世。昨年10月6日に東京・後楽園ホールで行われたタイトル戦に勝利し、同級初代王者を獲得。3月8日に同会場で初防衛戦に臨み、3―0で判定勝ちを収めた。
和泊港には、親せきや関係者らが「初防衛おめでとう」と書かれた横断幕を掲げて出迎えた。到着後、吉田選手はおきのえらぶ島観光協会や知名町役場を訪れ、住民の前で初防衛を報告した。
夜は、同町小米字有志による祝賀会が催された。一番の応援者でもある娘の実衣菜ちゃん(3)や祖母の渡辺昭美さん(87)らと喜びを分かち合い、その場で後援会の発足も発表された。
今井力夫町長は「吉田選手の活躍は、島の子ども達に夢を与えてくれる。世界チャンピオンに向け、全員でバックアップする」と話した。
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「王者らしいボクシング」を目指して挑んだ防衛戦だったが、ディフェンス重視でクリンチを多用する相手に「やりにくかった」と振り返った。判定での勝利に「(観客にとって)面白くない試合をしてしまった。自分がやりたいと思っていたことができなかった」と悔しさをにじませた。
試合で使ったコスチュームには、スポンサー名と一緒に「おきのえらぶ島」のロゴを最も目立つところに入れた。「自分の知名度が上がれば、島のことを多くの人に知ってもらえる」。試合に勝ち、ガッツポーズをするたびに島の名前がはっきりと見えた。
2カ月後、世界戦への切符を掛けて東洋太平洋タイトルマッチが予定されている。「3月と同じような試合はしない。これからの練習で、もう一段階体つきも変わってくるだろう。まだまだ伸びると信じている。世界戦まで突っ走っていきたい」と意欲を見せた。