竹山さん 「責任の重さ」実感
【鹿児島】奄美群島などの離島航空路を運行する日本エアコミューターで奄美市出身の竹山翔太さん(29)=写真=が5月9日、副操縦士として搭乗。奄美出身としては藤原直人さん以来2人目となる同社のパイロットが誕生した。
竹山さんは伊津部小、金久中卒。祖父母の実家が奄美空港のある奄美市笠利町にあり「よく空港に遊びに連れて行ってもらった」ことがパイロットを目指すきっかけになった。育英館高から同志社大理工学部に進学。サークル活動で航空部に入り、1年間訓練して2年目に初めて、グライダーを操縦した。高度約500㍍、7分間ほどの飛行だったが「今まで見た景色と全然違った。自由に空を飛べることに魅力を感じた」。
漠然とした「夢」だったパイロットになることが、具体的な「目標」に変わった。パイロットを専門に養成する朝日航空で2年間、本格的な訓練を受け、3年間の就職活動の後、昨年6月にJACに入社。約1年間の訓練を経て、故郷の空を飛んだ。
9日の「初フライト」は鹿児島から喜界―奄美―徳之島―奄美―鹿児島の5便。あいにくの雨模様の中「訓練とは違って実際に運航する難しさと責任の重さを感じました。景色を見る余裕はありませんでした」と苦笑する。奄美と徳之島の往復では父・博昭さん、母・あゆみさんが搭乗した。鹿児島に戻ってから両親から「これからも安全第一で頑張って」と祝福と激励の言葉をもらった。
パイロットになって故郷の空を飛ぶ夢をかなえた竹山さんは「安全第一が最優先で、責任感と謙虚さを忘れないパイロットでありたい」と今後の決意を語っていた。
(政純一郎)