サッカー男子、奄美8強入り

【サッカー4回戦・奄美―川内】前半、奄美はFKをMF福永④が頭で合わせて先制する=神村学園人工芝グラウンド

バドミントンは4回戦敗退

 2018年度鹿児島県高校総合体育大会は22日、各会場でサッカー男子、バドミントン男子ダブルスなどがあった。サッカー男子では、4回戦に徳之島、奄美の2校の奄美勢が出場。奄美は川内を下し、8強入りを果たした。
 バドミントン男子では畠駿生・荒垣作也ペア(大島)がベスト32まで駒を進めたものの、4回戦で敗退した。きょう23日は引き続きサッカー男子、バドミントン男子があるほか、テニスやラグビーなどが行われる。
 主な結果は次の通り。

【男子サッカー】(県立サッカー・ラグビー場ほか)▽4回戦 神村学園8―0徳之島、奄美1―0川内、鹿屋工1―0加世田、松陽4―1国分、鹿児島実1―0甲南、鹿児島工1―0樟南、鹿児島城西3―1鹿児島商、鹿児島5―0鹿児島情報

【男子バドミントン】(桜島総合体育館)▽2回戦 大德・黒木(武岡台)1―0辰己義也・染川功史郎(喜界)、山下勝士・宮村一輝(沖永良部)1―0峯﨑・高田(加治木工)、畠駿生・荒垣作也(大島)1―0永田・西本(伊佐農林)、狩集・岩井(出水商)1―0山元翔・春日泰彗(喜界)、山下宜寿・吉田壮広(与論)1―0松元・森(松陽)▽3回戦 谷口・髙井(鹿児島工)1―0山下・宮村、畠・
荒垣1―0西水・渡辺(屋久島)、内木場・原田(鹿児島)1―0山下・吉田▽4回戦 松山・折尾(薩南工)1―0畠・荒垣

奄美「離島でもやれる」を証明故・長浜監督の想い胸に

 奄美は劇的な展開をものにして8強入り。「離島でもやれるということを示せた」と内田淳一監督は言葉に力を込めた。

 風上に立った前半は優位に試合を進めた。両サイドをワイドに使い、ボールをつないで果敢に敵陣に攻め込み、シュートを放つ。PKのチャンスを防がれて先制機を逃したが、その数分後、左サイドでFKのチャンスを得る。CB小松の上げたクロスをMF田畑洋生が頭で合わせてゴールネットを揺らした。「主将がPKを外した後のセットプレーだったので、絶対にものにしたかった」執念で押し込んだ。

 風下に回った後半は一転して苦境に立たされる。6分にCB小松がペナルティーエリア内で相手選手を倒し、一発退場。PKを与えてしまった。

 「小松の分も絶対に止める!」

 GK保枝翔太は強い決意で臨んだ。「キッカーの目線と逆方向に蹴る」と読んで一か八か左に飛び、ボールを弾き飛ばした=写真=。3回戦・鳳凰戦に続く値千金の2試合連続となるPK阻止で絶体絶命のピンチを脱した。

 1人少ない10人、向かい風の逆境の中、全員が身体を張って守った。防戦一方の展開だったが、18分には1トップにボールキープ力と運動量のある3年生FW福田が入ったことで前線に起点ができ、カウンターで何度かシュートを打つこともできた。再三の好守でピンチをしのいだ保枝は「自分だけでなくチーム全員で守り切れたことがうれしい」と喜んだ。

 竹田空洋主将が左腕に巻くキャプテンマークには「長浜隆浩」の文字が刻まれている。今年3月に急逝した前監督・長浜さんの名前だ。離島でありながらも県チャンピオンを目指す高い志を植え付けた長浜さんの「DNAを引き継ぐ」(保枝)のが奄美イレブンの共通した想いだ。苦しい場面では「長浜さんが天国で見守っているぞ!」と互いに声を掛け合って勇気を奮い立たせた。準々決勝は強豪・神村学園に挑む。竹田主将は「相手も同じ高校生。これまで支えてくれた人たちに感謝の気持ちを込めて戦う」と意気込みを新たにしていた。
     (政純一郎)