「瀬戸内パッション」の収穫式で、ルビー色に輝く果実を手にする永村さん
皇室献上品としても有名な瀬戸内町のパッションフルーツが収穫時期を迎えている。同町と瀬戸内パッションブランド産地協議会(宮原仲清会長)は1日、同町嘉鉄のながむら農園で2018年度「瀬戸内パッション収穫式」を行った。今シーズンのパッションフルーツは、春に暑い日があったものの受粉の状態が良く、糖度も良好という。
同町によると町内で30人(同協議会員27人)がパッションフルーツを栽培。施設栽培面積は2・8㌶にのぼる。今期の収穫量は前年より8㌧多い40㌧を見込んでいる。
また、同町では2016年5月から同協議会を設立し、ブランド化に取り組む。昨年10月には「瀬戸内パッション」を商標登録した。今年5月22日には5度目となる「かごしま農林水産物認証制度(K―GAP)」の認定を受けている。
この日の収穫式で、宮原会長は「知名度はまだまだ低い状態にあり、県本土などに値段で対抗することが不可欠。品質に自信を持って瀬戸内パッションブランドを確立することが私たちの願いなので、切磋琢磨しながら前進していきたい」とあいさつ。今シーズンが独立後初の収穫となる同農園園主の永村清隆さんは「家族5人で手間暇かけて作ったので、より多くの人に食べてもらいたい」と語った。
式典後には関係者らがハウス内で収穫式を実施。赤く熟した果実を手に取り笑顔を見せた。このほかにも、パッションフルーツジュースでの乾杯や、試食、記念撮影などがあり、出席者らは収穫シーズンへの機運を高めた。
同町農林課によると、この日から収穫が始まり、今月7~13日には千葉県船橋市で開かれる「夏の奄美・沖縄物産展」に出品し、PR・販促を図る。町内では13日に果実分析評価検討会を、16日には「パッション祭り」を予定。皇室への献上は18日以降に計画されている。