「地域ぐるみ対策」重要

誘殺確認を受けてあったミカンコミバエ種群の誘殺状況説明会=7日、天城町


初動防除で誘殺「テックス板」を集中設置した=8日午前、伊仙町犬田布

ミカンコミバエ誘殺で 説明会、初動防除も
徳之島

 【徳之島】天城、伊仙両町内でも6日までに果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエが確認されたことを受けて農水省・門司植物防疫所など関係機関は7日夜、徳之島の農家らを対象に誘殺状況説明会を開催。侵入・発生防止へ寄主植物の伐採や情報提供など地域ぐるみの取り組みを要請するとともに、8日は、誘殺確認地点の半径1㌔以内に、誘引剤・殺虫剤を染み込ませた「テックス板」設置する初動防除を展開した。

 同説明会は天城町農業センターであり、3町から果樹生産農家など約50人が出席。門司植防名瀬支所の植物防疫官や県大島支庁農政普及課特殊病害虫担当者らが同島内の誘殺確認(5日・天城町兼久、6日・伊仙町犬田布で各1匹)の状況や現地対策会議、トラップ増設・調査、寄主果実調査の実施状況、初動防除を含む今後の対応方針などを説明。

 植防側は「気流に乗って(外国など島外から)飛んできたと考えられ、今の状況で発生しているわけではない。移動規制もない」。侵入・発生防止に、生産農家ら住民サイドでは、①出荷や自家消費しない寄主植物の伐採。特に好むバンジロウ(グアバ)の伐採②収穫期を迎えたピーマン・ナス・トマトなど夏野菜の収穫遅れ防止③幼虫(うじ)が寄生した果実を発見時は、ビニール袋に入れて密封して市町村へ―など解説。地域ぐるみで取り組むことの重要性を強調した。

 8日午前中にあった初動防除には、天城、伊仙両町やJA職員ら多数が参加。両誘殺確認地点の半径1㌔以内の樹木の枝などにテックス板1000枚ずつを手分けして設置。寄主果実調査(採取、切開調査)も継続し、状況に応じて現地対策会議で対応を協議していく方針だ。