奄美発LCC利用に支障

奄美発LCC利用に支障

奄美大島発LCC乗り継ぎの不便解消の要望も決めた徳之島空港利用促進協総会=11日、天城町

 

島伝いルート開設の陰で
徳之島空港利用促進協 JAC要望へ

 
 【徳之島】徳之島空港利用促進協議会(大久幸助会長)の2018年度総会が11日、天城町役場であった。日本エアコミューター(JAC)の奄美群島アイランドホッピングルート就航セレモニー(来月1日)の事業計画など全議案を承認。一方では、同開設と引き替えに午前の徳之島発―奄美大島便(上り)が無くなってLCC(格安航空)便の利用者に悪影響が及ぶため、JAC(加藤洋樹社長)に利便性の確保を要望することも決めた。

 関係機関・団体の代表ら約20人が出席。大久会長(天城町長)らによると、当初計画通り来月1日に就航させるJACの奄美群島ホッピングルート(奄美大島―沖永良部―那覇1往復)のには、現行の奄美大島―徳之島路線(2往復)の使用機材(ATR42―600、48席)が充当される。午前9時15分奄美大島発―同45分徳之島着の「下り」は従来通りだが、同使用機材はそのまま沖永良部―那覇へ。そして「上り第1便」の徳之島発は午後3時15分、奄美大島着は同45分に移行。そのわずか約1時間後には現行の復路第2便が徳之島を出発することになる。

 大久会長は「LCC利用者は(7月以降、乗り継ぎが間に合わずに)奄美大島に泊まらなければならない。しかし、奄美大島は旅行客の増加で、一般だとホテルなど宿が取れない状況。奄美大島側からは便利になるが、こちらからは不便になる」。群島12市町村がJAC株主(40%保有)であることもふれ「発言力を重視してもらわなければならない。一般の人たちが声を上げる前に動く必要がある」とも強調。

 出席者からは、「午前の飛行機(奄美大島行)はほとんどが満席状態。徳之島からのLCC利用客に大きな影響がでる。是が非でもこの便だけは確保を。しっかりと陳情していただきたい」との要望も。徳之島3町長・議会議長の連名で同ルート設定に伴う「奄美・徳之島航空路線の利便性について」の要望書を提出する。

 同協議会事務局によると、国土交通省申請の関係で、下期(10月以降)でのダイヤ見直しを求めることになる。ちなみに17年度の午前中同便の平均利用率は65・27%と高く、LCC利用者も多いという。

 事業計画にはほか、ジェットチャーター便の受け入れ体制の強化と積極的な誘致活動、徳之島空港のイメージアップ、旧ターミナルビルの早期建て替え陳情―なども掲げた。