赤ちゃんの無病息災願う

赤ちゃんの無病息災願う

無病息災を願い赤ちゃんの額にススが付けられた

ケンムン村で山開き・インガの節句
男児の額に鍋のスス

 旧暦5月5日にあたる18日、奄美市笠利町用安のケンムン村で端午の節句にちなんだ山開き・インガ(男児)の節句が行われた。自然に感謝するとともに、今夏の山の安全を祈願。また初節句を迎えた男児の額に鍋のススを付けて無病息災を祈る「ナベヒグル」も行われた。

 毎年、奄美では旧暦3月3日に海開き・ウナグ(女児)の節句が各地で行われている。ケンムン村の奥光太郎村長(44)らが6年前から「海だけでなく山にも感謝を祈願しよう」と開催している。

 会場のケンムン村内のケンムン神社前に、親子連れ10組が集合。同神社は島で唯一「ケンムン」が祭られているという。

 奥さんの山開き宣言の後に、玉串奉納など神事を実施。次に久保文雄さん(76)が、三線を演奏し「よいすら節」を奉納した。

 神社に玉串を捧げた親子連れは福崎敏子さんの所に移動して、福崎さんの手で赤ちゃんの額にススが付けられた。赤ちゃんの額にススを付ける風習は「食で困らないようにとの願いで、自分の時もススを付けてもらった」と奥さんは話した。

 奄美市名瀬から友人と参加した大島美穂乃さん(34)は、2カ月半の一華ちゃんを抱っこ。「山開きに初めて来て、ナベヒグルも初体験だった。子どものいい記念になった」と感想を話した。

 無病息災を祈願した後、参加者に原ハブ屋によるハブレクチャー。実際に生きているアカマタ(マッタブ)を見せて、毒のあるハブと無毒蛇の違いなど解説した。

 また節句記念の手型プレート作りを楽しむ親子連れも見られた。