「揺れ強く怖かった」「後片付けに追われた」

18日朝に発生した地震で床に落ちて割れて散乱した食器などの状況(尾﨑さん提供写真)

大阪地震 23年前の震災思い起こす出身者も

 奄美出身者が多く暮らす関西地方で18日朝、大阪府北部を震源とする地震が発生した。兵庫県や大阪府内などに住む出身者などからは「揺れが強かったので怖かった」「家具が倒れたり食器などが割れたりして、後片付けに追われた」と、揺れの大きさを強調し23年前の阪神淡路大震災を思い出す出身者もいた。

 関西奄美会の幹事長で同府吹田市在住の中野壽郎さん(67)=伊仙町鹿浦出身=は、「自宅で地震の揺れと同時に、地震発生を知らせるメールを受信した。10秒ぐらい揺れた。家の方は食器棚の食器が割れたり、花瓶や仏壇の仏具などが倒れた」と振り返った。外の様子について、「阪神淡路のようなひどい被害は吹田では見られない。ビルの外壁が損傷し安全対策で落下しそうな範囲にロープが張られている箇所や、踏切が上がらず渋滞が発生している場所もあった」とした。

 中野さんによると水や電気などライフラインに影響はなかったとし、「地下鉄や私鉄は動いていない。臨時休業する店や、飲料水やおにぎりなどが品薄となっているコンビニがあった」と街の様子を伝えた。関西地方に奄美出身者は約30万人いるとされ、同会は出身者の16郷友会で組織。中野さんは「揺れが強かった大阪の北部には郷友会会員はあまり住んでおらず、被災したなどという情報はまだ入っていない。電話して高槻市にいる会員の安否は確認した。今後、郷友会の下部組織から情報が入るかもしれない。もし被害に遭った会員がいたら、阪神淡路の時と同様に支援活動を行いたい」と語った。

 同府枚方市在住の嶺山哲雄さん(67)=徳之島町亀津出身=は「自宅にいる時に揺れた。前触れなく突然に来るので、地震は怖い。自宅は耐震工法のリフォームをしていたので被害はあまりなかった。23年前の阪神淡路大震災と同じくらい揺れたが、前回の方が揺れは長く続いた」と語った。

 大阪市淀川区在住の棚窪里佳さん(37)=和泊町出身=は「ここに住み大きな地震は初めて。自宅の食器などが割れた。ガスが点かない状況。いったん職場に行き、仕事して戻って来て片付けをした」と驚いた様子。職場では水漏れが発生し、通勤する際に電車が止まっていたと話した。

 兵庫県尼崎市在住の会社員、坂江照之さん(50)=龍郷町円出身=は「ちょうど出勤しようとする時に地震が起きた。マンションに住んでいるが、立っている物が倒れたりしてひどい状況。仕事を終えて帰ってから後片付けになる。近所のブロック塀が倒壊している場所もあった。阪神淡路の時より強く揺れ、急に来たので怖かった」と声を震わせていた。

 同府寝屋川市在住の会社員、栄忠行さん(46)=喜界町荒木出身=は自宅にいる時に地震に遭遇。「寝屋川は震度5強といっていたが、マンション11階に住んでおり室内の物が倒れたくらい。ガスが止まった。ただ揺れは大きく怖かった。上司が震度6弱の枚方市に住んでいて、灯ろうが倒れたり壁が倒壊し、ヒビが入ったりした部分もあったと言っていた」と語った。

 震度6弱を観測した高槻市在住の会社員、尾﨑杏奈さん(23)は「会社に行く準備中に地震があった。下から突き上げるように10秒ほど揺れを感じた。食器棚から食器があふれたり、家具が大きく移動したりした。停電したが、すぐに復旧。近所で水道管が破裂し、蛇口をひねっても汚い水しか出てこない」と話した。