音楽通じ骨髄バンク啓発

「第2回骨髄バンクチャリティー・愛のコンサートin奄美」。出演協力した奄美・島っ人合唱団の舞台発表

「生きるチャンスを」 奄美市名瀬
川上医師が医療講演会

 「第2回骨髄バンクチャリティー・愛のコンサートin奄美」(かごしま骨髄バンク推進連絡会議、声楽家有志の会「歌の翼に」主催)が24日、奄美市名瀬の奄美文化センターで開かれた。血液難病の患者、骨髄移植、骨髄バンクドナー登録に関する離島での啓発活動の一環で開催。開催趣旨に賛同する音楽家や 音楽団体が出演し、音楽を通じた啓発活動に協力した。会場では医療講演会など関連催しもあり、多数来場した。

 奄美市教育委員会共催。「生きるチャンスをドナー登録によって広げよう!」と呼び掛けたコンサートは、午前と午後の部に分け開かれた。

 午前の部は、奄美市少年少女合唱団の合唱を皮切りに始まり、大島北高校吹奏楽部の演奏、森田良平コントラバス独奏(ピアノ・田中裕太)、進史絵オーボエ独奏(同)、中村かし子ソプラノ独唱(同)など次々と披露した。

 午後の部は、奄美・島っ人合唱団(指揮・久野睦子、演奏・アマービレ吹奏楽団&奄美オーケストラ)がトップで登場、崎山智華ソプラノ独唱などがあった。12番目プログラムのピアノ協奏曲演奏途中で雷の影響とみられる停電があり、演奏は中断したが、その後復旧し、最初から演奏。最後は全員合唱で締めくくった。

 医療講演会では、川上清氏(社会医療法人童仁会池田病院小児科医師)が「救われる命・生きるチャンス」をテーマに2回講演。①血液難病、骨髄移植、骨髄バンクの現状と課題②骨髄移植の患者の状態による生存率の違い③日本骨髄バンクで移植を待つ国内の患者数―など説明し、ドナー登録への協力を呼び掛けた。

 川上医師は、鹿大医学部小児科骨髄移植チーム代表として県内初の骨髄移植を行った。約20年前、鹿児島の骨髄バンクでの初の患者となったのは、当時11歳だった奄美出身の男子だったという。今、大人になっている男性から届いた手紙の一部を今回の公演チラシに掲載した。

 関連催しは、骨髄バンクドナー登録説明会&登録会、白血病についての医師による無料医療相談室、絵画展「あやちゃんの贈り物」(三瓶彩子ちゃんの作品)―があった。

 ドナー登録して2回骨髄液を提供した県内在住の男性が舞台で体験談を語った。

 県内で骨髄バンクの移植を待っている患者数は、2018年4月末現在21人(累計638人)、4月ドナー登録者数31人(登録総数4251人)、移植例数は累計281人。