「猛スピードに不安も」

道路事情の変更を示す交通標識(写真は奄美本通り)

開通から1週間商店街シンボルロード末広工区
「歩行者優先で交通安全」

 奄美市の名瀬中心市街地のシンボルロード「名瀬都市計画道路3・4・18号末広・港線」の末広工区(延長252㍍)が16日開通して、1週間が経った。片側1車線の相互通行となり、歩道も広くなったため、商店街へのアクセス向上による地域振興の促進が期待されている半面、一般道として通過する車両が以前より増し、地域から事故を心配する声が挙がっている。商店主の一人は「これまで見たことのないスピードで通過する車両が増えた。重大事故につながらなければいいが…」と懸念、交通安全を呼びかけている。

 末広・港線は「末広・港土地区画整理事業」に伴う主要幹線に位置付けられ、最終ルートは永田橋通りから港町までの延長474㍍を計画。同工区は両側の歩道(幅4・5㍍)を含め、道幅16㍍に拡張し、「優先道路」に格上げした。

 このため、銀座通り、奄美本通りとの交差点では2通り側からの車両が一時停止することに変更。市当局は両交差点に「一時停止」の看板を増設。さらに停止線前の路面には「止まれ」の表示も実施して、商店街内を運転するドライバーに対し、交通標識の確認と注意喚起している状況だ。

 同市通り会連合会の恵枝美会長は「道幅も広くなってベビーカーが通行しやすい。多くの家族連れが街巡りやショッピングに訪れてほしい」と開通道のメリットを強調。しかし沿道の店舗関係者などによると、開通から数日後、交差点で車両の接触事故を目撃したという。

 「これまで通り(交差点を)通過しようとしたのでは」。近くの女性店主は商店街の通りをよく利用していたドライバーほど事故を起こしやすい可能性を示唆した。

 またある男性店主は渋滞の抜け道として速度を上げる運転の増加に危機感を募らせ、さらに同区間に横断歩道がないことを指摘。「商店街が分断され、回遊性が失われる」と早急な対策を訴え、お年寄りなど歩行者優先の配慮をドライバー側に促した。

 奄美署によると22日現在、物損、人身事故はないと説明。市民に「中心市街地での安全通行を意識してもらいたい」とした。