フォローアップ研修

フォローアップ研修

NPO法人あまみ成年後見人センターは30日、法人受任を目指し、講座修了者へのフォローアップ研修を行った

意思尊重し支援を
法人後見受任に向け修了者に
「中核機関にしたい」 奄美成年後見人センター

 NPO法人あまみ成年後見人センター(勝村克彦理事長)は今年5月に法人後見の承認が下りたことを受け30日、奄美市名瀬の奄美病院研修センターで、これまでの養成講座修了者に対しフォローアップ研修を行った。厚生労働省老健局認知症施策推進課の余語卓人室長補佐、同省社会・援護局地域福祉課成年後見制度利用促進室の栗原拓也室長補佐が登壇し、国の認知症施策の推進、成年後見制度利用の促進についてなどを語った。

 成年後見人は認知症や知的障がいなどで判断能力が不十分な人について、福祉サービスの契約や財産管理を行う。親族や専門職(弁護士や司法書士など)のほか、養成講座を受講した人も後見人としての役割を担うことができる。

 同NPOは2016年から奄美市で養成講座を実施し、これまでに92人が修了。今年5月10日には鹿児島家庭裁判所に法人後見の事前申請を承認され、法人としての受託が可能となった。今年度中に5人の受託を見込んでいる。勝村理事長によると、法人として後見人を受任した場合、同NPOが設置する受任調整会議で、支援員(講座修了者)を選任。同NPOが策定する実施計画にのっとり支援員が活動する形を取る。

 この日の研修では、余語室長補佐は認知症について、国が進める認知症に関する施策の推進について講話。認知症患者との接し方について、「認知症になっても感情や思いに問題が生じるわけではない。その人の話をよく聞き、意思を尊重する形で支援する必要がある」と話した。

 厚労省が15年に策定した認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)では「認知症の人の意思が尊重され、出来る限り住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けることができる社会を目指す」ことを基本方針としている。余語室長補佐は実現のため掲げられる▽普及啓発の推進▽高齢者に優しい地域づくりの推進―など七つの柱についてそれぞれ解説した。

 栗原室長補佐は現在の成年後見制度の利用について、「ほとんどが後見の利用で、補助・保佐が少ない。判断能力のある段階で、補助や保佐が利用されるべき」と述べた。

 また、17年3月に閣議決定された成年後見制度利用促進基本計画を説明。計画に位置付けられる地域連携ネットワークの構築について、「地域ごとに中核機関を設置し、相談対応、受任者調整、後見人支援を行っていく。すでに実践している地域もあり、奄美でも動き始めている」と語った。これについて、勝村理事長は「あまみ成年後見センターを中核機関にしたい」とした。