相次ぐ台風、多業種に影響

相次ぐ台風、多業種に影響

奄美市名瀬の名瀬港で荷役作業中のフェリー。欠航すると物流がストップし、多業種への影響が見込まれる

船舶業者「最新情報確認して」
スーパー、接近備え仕入れ増

2~3日に奄美地方に接近した、台風7号。奄美地方は暴風域入りしなかったものの、船舶の欠航など交通機関の乱れが発生した。7日午後3時現在、猛烈な台風8号がマリアナ諸島を北北西に進んでいる。発生当初の予報から進路が南に逸れたものの、予報円の中心を通った場合、10日には奄美地方南部が暴風域に入る可能性がある。相次ぐ台風接近に多業種の関係者から影響を嘆く声が上がっている。

奄美市名瀬のマルエーフェリー㈱によると、6日下り鹿児島発のフェリーあけぼのは貨物量増加に伴い遅延。予定より約1時間半遅れで名瀬港を出港した。貨客について担当者は、「7号接近時は徳之島のトライアスロン参加者が足止めを食らった。次の台風は郡体の選手が心配」と不安をもらす。また、数日後の欠航についての問い合わせが多いものの、「欠航などは事前に予測はできない。常に最新の情報を確認してほしい」と呼び掛けている。

奄美市内の運送業者は、台風接近時に荷物持ち込みの自粛を依頼するなどの対応を取っている。7号接近後フェリーが運航を再開してからは、4日分の荷物が県本土から届き、配達などに時間を要したという。担当者は「自然現象だからどうしようもない」と話した。

奄美市名瀬の㈱グリーンストアは、台風8号発生前から仕入れ先や海運業者と連絡を密に取り、8日までに通常の2倍以上の入荷を行う予定している。魚介類に関しては、出漁ができなくなるため、島内の養殖業者からの仕入れを増加するなどの対策を取る。同社担当者は「接近前日や通過後の売り上げは上がるが、仕入れのことなどを考えるとうれしくはない。台風の卵ができた段階から、来ると思って早めの判断を行っている」と語った。

梅雨明け後に相次ぐ台風接近に海のレジャー業界にも影響が出ている。多くのダイビング客などを受け入れる同市笠利町用の㈱ネバーランドでは7号接近に伴い、15件ほどの予約がキャンセルとなった。同社スタッフは「台風が去ってからもしばらくは海に入れない。今夏はLCC利用者が多く、振替便が確保できないなどで、来ることができない人も多い」とため息をこぼした。