活発な意見が出された奄美群島振興開発審議会=千代田区霞が関
地元選出の金子万寿夫衆院議員に法延長や予算確保に関する陳情を実施した
【東京】奄美群島振興開発審議会(会長・原口泉志學館大学人間関係学部教授)は12日、第111回会議を中央合同庁舎第3号館の特別会議室で開き、奄振法の延長に向けて、国交、農水、総務3大臣に提出する意見具申案を取りまとめた。特別の措置の必要性(奄振法の延長)にふれた意見具申案は、奄美群島振興交付金を活用した取り組みを更に効果的なものに充実させていく必要があるなどとした内容。一部修正で意見具申案を決議。委員からは「離島教育の奄美モデルケースを」「沖縄との連携を物流だけでなく人との交流も」などの意見が出た。
原口会長は冒頭のあいさつで、西日本豪雨災害被災者へのお見舞いを述べ、「2020年に登録を目指す奄美・琉球世界自然遺産登録については、生態系が認識されているが、新たな施策が必要になる。奄美が独り立ちし、発展できるよう検討をお願いしたい」と語った。
意見具申案では特別の措置の必要性について、▽交通改善、防災対策などを充実させるインフラを整備していく▽奄美群島振興交付金で、特性生かした産業発展による雇用機会の拡充、本土や沖縄などとの交流連携の拡大などに対応させ、民間の取り組みなどと連動させながら同交付金を活用した取り組みを更に効果的なものに充実させていく▽一般金融機関を補完する奄美群島振興開発基金のシンクタンク機能、コーディネーター機能の役割の強化拡充を図る―などとしている。
会議では、活発な意見交換が行われ、エコツアーガイドの実績などの質問のほか、「離島教育の奄美モデルケースにしていこう」「環境保全を建設業者などが学び地元の人たちと経済として成り立つ仕組みづくりを」などの意見が出た。
審議会での意見具申の内容について、一部修正してとりまとめを原口会長に一任することを決定。奄振法は、3大臣に意見具申した後、内容を踏まえて改正作業を開始。来年の通常国会に改正法案が提出される。
同会に先立ち、地元選出の国会議員らに、三反園訓県知事、柴立鉄彦県議会議長、伊集院幼奄美群島市町村会会長らが「奄美群島振興開発特別措置法の延長及び奄美群島振興開発事業予算の確保、充実にかかわる要望について」の要望書を提出して陳情も行われた。
柴立議長は「奄美を最大評価してほしい。今後の生活向上などのため、よろしく」と力強くエールを送り、三反園知事も「奄振法の引き続きの法延長実現のため力添えをよろしく」と語った。
また、伊集院奄美群島市町村会会長は謝辞を述べ、「奄美が大きく変わってきた。地元にこられた人へのおもてなしや沖縄との物流だけでなく人との交流を考えないといけない」と語り、「延長でさらに前に進んで行けるように地元として連携をとりながらやっていきたい」とした。