情熱のかおり「奄美マンゴー」 期待込め出発式

情熱のかおり「奄美マンゴー」 期待込め出発式

完熟マンゴーを手に、収穫の本格化をアピールした関係者=17日、天城町岡前「近田農園」

減産も品質良好、本格出荷アピール
天城町熱帯果樹生産組合

 【徳之島】天城町熱帯果樹生産組合(作山和久組合長・組合員農家34戸)の2018年産「情熱のかおり・奄美マンゴー」の出発式(町共催)が17日、同町岡前の近田伸行さん(41)のビニールハウスであった。春先の天候不順による開花不足や生育遅れで収穫・共販見込みは22・2㌧(前期実績比7・8㌧減)、約6660万円だが、平均糖度が約14度と高く玉伸び、着色とも「品質は良好」。〝お家芸品目〟の本格出荷をアピールした。

 天城町でのマンゴー栽培は1985年、一部農家らの自主的な試験栽培でスタート。高収益性と、町による生産基盤施設導入事業などてこ入れもあり産地化が進展。県内先駆け産地として33年。町内の全生産者戸数は約60戸、面積は約6㌶(うち熱帯果樹生産組合約3・9㌶)=品種は全てアーウィン種=となっている。

 出発式には、生産組合員農家や関係機関・団体から約20人が参加。作山組合長と貴島克仁副組合長はマンゴー生産の歴史もふり返りつつ「奄美マンゴーの味は宮崎や沖縄県産には負けない。気候・ほ場・栽培管理など条件で生産者個々でも味が違う。組合への加入も勧め、高品質のマンゴーづくりにさらに頑張りたい」ともアピール。

 大久幸助町長は、たった1人の若者の発想が、不毛の大地をブドウ産地に変え、世界一流のワインを生み出した仏・ボルドー地方も例に「関係機関と連携、お家芸をもっと研究して一流のマンゴー産地に」。同町地域おこし協力隊・大間麻子さんの報告によると、ふるさと納税者へのマンゴー品目の返礼実績は▽16年度176件・252㌔▽17年度213件・431㌔▽18年度現在165件・235㌔と年々増加。寄付者からは「これからも安心できる農産物を」「おいしかったので今年も寄付します」など声が寄せられ大好評という。

 園主の近田さんによると収穫・出荷は8月10日ごろまで。最高品質の「赤秀」、階級「3L」490㌘以上、糖度15度以上の果実は、「奄美群島プレミアムマンゴー『太陽王(てぃだおう)』」として出荷される。

 天城町熱帯果樹生産組合(電話0997―85―4616)。