指差し会話でやりとり

指差しシートを使って、外国人観光客とやりとり

外国人観光客対応 様々なシーンでの活用を
サービス向上期待

 「どのようなものをお探しですか」――。言葉が通じなくても外国人との意思疎通に役立ててもらおうと奄美市はこのほど、ホームページで中国語(台湾・香港)と英語、韓国語の指差し会話集を掲載した。同市紬観光課は「外国人観光客へのサービス向上につながれば」と、両替や飲食、交通など様々なシーンでの活用を促している。

 クルーズ船寄港などによって、奄美大島を訪れる外国人観光客は近年、増加傾向。それを受け、同課は接客や注文対応のやり取りをサポートするため、三言語の指差し会話集7パターン(銀行編、物販編、バス編、観光関連施設編、飲食編、ホテル編、タクシー編)を19日から公開している。

 実践的な問答が示され、対応する側からは「換金レートはこちらを確認ください」(銀行)、「これは奄美の名物です」(物販)―などを案内。外国人からは「何がおいしいですか」(飲食)、「○○(目的地)に止まりますか」(バス)―ほか数パターンを記載。観光や商業面での接遇力向上が期待できる。

 20日、観光クルーズ船「サンプリンセス」(バミューダ船籍、約7万7千㌧)が同市名瀬の名瀬港観光船バースに寄港した。乗客約2200人は台湾からの観光客。市街地までシャトルバスを使い、家族連れが市街地のアーケード街周辺を散策した。

 家族や両親、親族など一族15人で来島したというレオさん(50)は「奄美は初めてだが、台湾と同じくらい暑い。自然がきれいだと思う」と笑顔。ファッションに興味がある息子(15)は衣料店に入り、指差しシートで値段などを確認した。

 また大学の友人連れで来島したリンさん(21)は、目当ての商品の陳列場所をシートでやり取り。「お菓子やジュースを買いました。日本製はおいしいのでお土産にします」。

 同課によると、サンプリンセスの寄港回数は9月28日まで、計10回を予定。市街地商店主からは、今回、多くの商品購入や飲食消費を喜び、少しでもアーケード内に滞在できるよう店頭にテーブルやイスの設置を検討する声も。

 生活雑貨店「ナチュライフ」代表の小倉かおりさんは「入込み増を考えると指差しシートに頼らず、最低限の英会話をマスターしておくことも必要」と話した。