東京奄美会文化講演会

古典落語の「堪忍袋」などで会場を沸かせる、金原亭世之介さん


金原亭世之介さんは、言葉が及ぼす体への影響を参加者の体を通じて解説

言葉で幸せになること実感
落語家の古典落語と講義聞き入る

 【東京】東京奄美会(森眞一会長)は15日、千代田区の日本教育会館9階で2018年東京奄美会文化講演会を開いた。噺家=はなしか=の金原亭=きんげんてい=世之介さんを講師に招いて、会場には約100人が参加した。落語を一席楽しんだあと、言葉の使い方で体に変化を及ぼすことなどを体験しながら講義に聞き入っていた。

 「言霊=ことだま=を実感して自身と周りを幸せに!なんで挨拶=あいさつ=しなきゃいけないんですか~言葉のパワー」との演題で講演がスタート。人は目線を上げることで幸せを感じられる。また、いい言葉を浴びると身体は柔軟になり、一方で逆に汚い言葉でののしられると、硬直してしまうことを実験。会場の各所から「本当だ。これはすごい。言葉には力がある」などと、感心した声が聞かれていた。

 また、人間の能力を上げる効果のある「言語誘導学」を分かりやすく講義。世之介さんは、講演を前に夫婦げんかを基にした「堪忍袋」で沸かせ、会場を古典落語の世界に誘った。東京都出身の世之介さんは、1976年に故十代目金原亭馬生に入門、92年に真打ち昇進。高座のほかに執筆や講演活動、大学の客員教授としても活躍している。

 奄美とは直接関わりはないが、里アンナさんとは旧知の仲。何度か同じ舞台に立ち、海外でも仕事を共にしている。懇親会で踊り出す参加者を眺め「皆さんパワーがありますね。今度は奄美を訪れてみたい」と語っていた。

 言葉の魔術で参加者らはいい心持ちとなり、懇親会も盛り上がり、文化講演会は「大盛況の落ち」となったようだ。花岡正美幹事長は、「言葉により幸せになることが分かり、とても参考になりました。早速、家でも職場でも生かしたい」と参加者を代表して謝辞を述べていた。