夏植え「160㌶」達成に気勢

サトウキビ夏植え「160㌶達成」推進を誓い合った徳之島町の出発式=23日、同町役場駐車場

徳之島町出発式 推進助成費3倍増に

 【徳之島】徳之島町糖業振興会(会長・高岡秀規町長)のサトウキビ夏植え推進の出発式が23日、同町役場駐車場であり、目標面積160㌶の達成を誓い合った。前期産が台風・潮風害で記録的な低糖度に陥ったことによる国のセーフティネット基金(さとうきび増産基金)発動要件付加などに伴い、肥料など農家助成総額は例年の約3倍を計上している。

 出発式には町当局や南西糖業㈱、JAあまみなどの関係者ら約70人が参加。高岡会長は、前期のキビ低糖度やバレイショ価格暴落など農業情勢に触れながら「(21日の)台風10号は、雨もしっかり降って被害もさほど受けずキビにとってはプラスになったと思う。交付金の価格交渉も厳しいが(3町の)7千㌶の農地を守るためにも、補助事業や作物のあり方も考える時期に。夏植え推進の割合を上げ、ハーベスタ踏圧対策の土づくりもしっかりと対応しよう」などとアピール。

 同町議会の池山富良議長は「一生懸命働いて必ず収益が上がり、子育てができる農業に。肥料は2、3倍に上ってキビ価格は20~30年全く上がってない。トン当たり2万3千円以上でないと将来がない」。南西糖業㈱の新美薫専務取締役徳之島事業本部長は、過去最低の買入糖度を記録した前期実績や近年の新植面積の減少傾向について「徳之島のキビ産業に非常に憂慮すべき状況。将来に希望をつなぐためにも夏植え目標の達成を」と協力を要望した。

 目標達成への「がんばろう」三唱で気勢を上げ決意。糖業振興会事務局側が、病害虫防除や土づくり、種苗助成など夏植え推進事業の概要を説明した。

 同島3町では天城町142㌶、伊仙町160㌶を合わせ462㌶(同島きび生産対策本部事務局)を計画している。