大島養護サマーセミナー

大島養護学校で2018年度サマーセミナーが開かれ、講演会もあった

自己肯定感の向上を
言葉の発達促す指導法など講話

 県立大島養護学校(山口敏親規校長)は26日、2018年度サマーセミナーを同校で開いた。地区内の教育関係職員が参加。分科会ほか講演会では、教育支援が必要な学齢期の児童生徒へのサポート、子どもの言葉の発達を促す指導法などについて、講師2人が実例を交えながら講話。一人一人の個性を尊重し、自己肯定感を高める重要性などが呼びかけられた。

 講演会では教育支援をテーマに県子ども総合療育センターから、支援部地域支援課の吉川祐一氏と療育指導課の萩原孝美氏(言語聴覚士)を迎えた。

 吉川氏は「学校と医療の連携」を演題に講話。学校での各関係者との連携した取り組みや外部機関の活用などを挙げ、「すぐに医療につなげるのではなく、できるアセスメントを」と強調した。

 県内の特別支援学級数(18年度)は小学校880学級、中学校333学級。文部科学省によると、通常の学級に在籍し発達障がいの可能性があり特別な教育的支援を必要とする児童生徒は6・5%(2012年調査)。「グレーな対象者も10%いるとされる。自閉症とそうでない子どもの境界線もつけづらい」などの実情も紹介した。

 吉川氏は支援が必要な対象者の事例などを交えながら、保護者の気持ちを受け止めるうえで、「保護者の願いを確認する」などの心がけが必要と呼び掛けた。

 また、同センターの医師や各専門職員、地域の療育(発達支援事業所等)、保育園・幼稚園、小中学校・高校との連携の重要性を強調。「医療だけで解決しないこともある。本人の自己肯定感を高め、不安を取り除くこと、保護者の気持ちに共感することが大切」などと呼びかけた。

 萩原氏は子どもの言葉の指導の在り方について講話。「言葉」(名詞)の概念、記号形式、指示物などを例にし、「気持ちを表す言葉、立場によって使い方も違い、形がない言葉は理解が難しい」などと解説した。

 言葉を知っていても上手く使えない子どもに対して、①気持ちや状況を言葉にする②子どもの興味に視点を合わせる③言葉の意味や文法を広げる―の声掛けのポイントをアドバイスした。

 そのほか、吃音のある子ども、オウム返しが多い子などに対する各対応方法などを解説した。