安全飛行、情報提供などオスプレイ対策要請

7月19日、奄美側の3町村の首長が防衛省九州防衛局を訪れ、要請書を提出した=提供写真=

九州防衛局に奄美大島5市町村

 昨年6月、今年の4・6月の計3回にわたり、在日米軍の輸送機オスプレイが奄美市の奄美空港に緊急着陸したことなどを受け、奄美大島島内5市町村は先月19日、連名で防衛省の九州防衛局に安全飛行への対策や関連事案が発生した場合の情報提供などを要請する文書を提出したことが分かった。10日、同市が発表した。

 今回の要請は、昨年から今年にかけて、相次いで発生した奄美空港への緊急着陸および、奄美大島上空における低空飛行について、寄せられた地域住民の不安払しょくのために行われたもの。

 5市町村首長の連名で、同局の三貝哲局長宛てに提出された文書では▽緊急着陸について、3度の緊急着陸の原因を明らかにし、安全飛行について万全の対策を講じるよう要請すること▽奄美上空における低空飛行(オスプレイ含む米軍機に対し)について、訓練飛行に当たって認定された空域を厳守し、他の飛行に当たっては国内法を順守し住民の不安を招く飛行はしないこと。

 ▽速やかな情報の収集と提供について、オスプレイに限らず、米軍による緊急着陸や低空飛行などの事案が発生した場合は、速やかに情報を収集し、5市町村へ情報提供すること―三つを要請した。

 同局からの意見では、緊急着陸について、類似の機会で安全管理の徹底等を同局が申し入れていることも踏まえ、「地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう求めていく」などとし、関連事案が発生した場合は、職員を現地に派遣し、「地元への情報提供に努めているところ」などとしたうえで、「今回の要請を真摯に受け止め、しっかり対応していく」としている。

 同市によると、事前連絡がなかった昨年6月10日(夜間)の緊急着陸も含め、3回ともその度に「住民の安全確保も(口頭で)申し入れしてきた」という。今年6月4日に緊急着陸した際は、ほぼ1カ月間、同空港に駐機。また、市役所には以前から未確認機体に関する情報提供があり、2013年度からの5カ年で最多28件、最少で1件の連絡があったという。

 要請書を提出してから今回の発表までに要した日数について、同市は、その場での防衛局側と奄美側とのやり取りを正確に文書化したうえで、「同局、出席した3町村の首長との内容確認に時間を要した」などと説明した。