あまみならでは学舎

マイクロチップの読み取りを実演する鳥飼さん

不幸な猫なくすため適正飼養を
鳥飼さん講演、マイクロチップ実演解説

 奄美市名瀬の県立奄美図書館は11日、同館会議室で生涯学習講座「あまみならでは学舎」の第4回講座を開いた。「奄美大島の自然とネコ問題」のテーマで、奄美ネコ問題ネットワーク(ACN)副代表で奄美野鳥の会の鳥飼久裕会長が講演した。講師が奄美の自然の豊かさや独自性、生きものを脅かすネコ問題などを解説し、解決に向け飼い猫の適正飼養などを訴えた。

 ACNはトヨタ自動車㈱の「トヨタ環境活動助成プログラム」などの助成を受けて、小中学校でネコ問題に関する出前授業や、住民向け講演会を各地で実施。今回の講座に一般など約70人が参加。鳥飼さんはスライド資料で、奄美の自然の特長や、34番目の国立公園になり世界自然遺産登録を目指していることを紹介した。

 奄美の生きものの危機として、▽生きものの生息環境が奪われる▽人間が直接生きものを殺す▽奄美にいなかった生きものの影響―を指摘。「フイリマングースはマングースバスターズの活躍で、駆除が目前になっている。新たにネコ問題が起きてきている」と話した。

 ネコ問題は、「ノネコ(野生化した猫)が山の中で、希少種や普通種を食べて自然のバランスが壊れてしまうこと」と説明。問題を解決するために、①ノネコを山から出す②ノネコになる可能性のあるノラネコも減らす③ノネコ・ノラネコを増やさないために飼い猫をちゃんと飼う―ことなどを呼び掛けた。

 飼い猫の適正飼養に関してマイクロチップの有効性を実演。猫のぬいぐるみに埋め込んだマイクロチップを、機器を用いて読み取りを実行した。

 鳥飼さんは、「不幸な猫をなくすためにも、きちんと飼っていくことを知ってもらいたい。周りにもこのことを伝えてほしい」と締めくくった。

 講座に参加した大島高校3年の恵帆乃花さん(17)と濱田優花さん(17)は、「講師の話を聞いて、ネコ問題が詳しく知れた。ネコ問題を解決するために、できることに取り組んで行きたい」と感想を話した。